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◆『もつれた糸』メアリー・ライアンズ

◆『もつれた糸』メアリー・ライアンズ(ハーレクイン文庫)
 なぜこんなことを引き受けてしまったんだろう──ダーシィは妹の代わりに、婚約披露パーティに出席していた。父が先祖代々住み続けた屋敷を手放す条件としてシチリアの伯爵ロレンツォに出したのは、妹との結婚。だが、当の本人は行方をくらましている。パーティでは姉妹の入れ替わりに気づかれなかったようだが、結婚式のリハーサルにも妹は帰ってこなかった。("Love's Tangled Web" by Mary Lyons, 1985)



 この記事でリクエストいただいた作品です。(ナナさま、ありがとうございます!)
 ヒロイン、リハーサルのはずだったのに、なぜかヒーローと結婚してしまいます。入れ替わっていたことなんて最初からわかっていたヒーロー、なんて腹黒!(´Д`*) と思いましたけど、どうして真正面から交際を申し込まなかったのか──という疑問は残る。あの言い訳ではちょっと納得いかない。
 そこでいろいろ裏を読んでしまいました。

 このカップルの場合、一番の問題はヒロインの家族です。特に父親がひどいですけど、ぶっちゃけヒロイン以外全部ダメ。他の親戚もダメ。みんなダメ。
 実はヒーローとヒロインはいとこ同士です。シチリアに嫁いだヒーロー母は、ヒロイン父の姉。姉の窮地に手を差し伸べないばかりか、自分勝手な非難をした叔父に復讐を誓う16歳当時のヒーロー。
 でも、実際やっていることは復讐とは程遠く、事情がわかった時点でヒロインも戸惑う。
 ヒーロー、16歳の時は確かにそんなことも考えたけど、もう大人なんで実行しようとは思っていなかったのです。だから、彼女にちゃんと事情を話して、普通に口説いてつきあって結婚する、という手順を踏むことも可能でした。
 けど、そうしていたらおそらく、ヒロイン父が全部ぶち壊していただろう、ということは容易に想像できる。
 まず、彼は体裁と先祖代々の屋敷がすべてで、都合の悪いことは全部無視するし、物事を都合よくねじ曲げる。お金の使い方に計画性がない。姉よりも妹を溺愛している。
 なのに、姉が妹に化けたことにも気づかない(´Д`;)。
 明らかに自己愛の肥大したやっかいな人です。そんな人間にヒーローが姉の息子だとバレたら、どう説得しても、

「あいつは復讐のために、屋敷を奪おうとしている!」

 としか思わないよね。
 母も頼りにならない。デモデモダッテな人なくせに、双子でもないのに姉妹入れ替わりとか変な計画を思いついて、それを娘に納得させるだけのしつこさと思い込みの深さがある。
 妹も父似なのか自分のことしか考えてない。というか、そもそも物事を深く考えられない人みたい。
 どうもヒロイン一人に家族の──いや、一族の知性とまともな神経が集約されてしまっている、というある意味気の毒な女性なのです(^^;)。
 ヒーロー、ストーカーというか、この一族についての調査を長年行なっているんですが、おそらく知れば知るほど、

「まともにぶつかったら大怪我するだけだ(-_-;)」

 と思ったに違いない。
 そのためにああいう方法に至ったのではないか、と私は思ってしまいました。周囲に悪い気分を味わわせず、周到な計画に乗せられていることにも気づかせず。
 それもすべて、結果的にヒロインがいやな思いをしないため。
 まともにアタックしても、きっとヒロインはヒーローに惚れるでしょうが、父のとんちんかんな責めはおそらくヒロインにしか向かない。結局家族と絶縁とか、反対にヒーローとの別れや離婚に至ることもあるかもしれない。
 自分一人に彼女のストレスを集中させる作戦に、ヒーローは賭けたのでは。毒にしかならない家族からヒロインを離すことを先にすればマイナスからの出発になるとわかっていながら、それでも彼女の愛を獲得するという決心と努力を惜しまない献身ぶり──。
 なかなか複雑なヒーローです。けど、こうして書いてみると彼の愛情のとてつもない深さがわかったよ……。
 でも、これはすべて私の深読み──妄想という可能性もなきにしもあらず(´ω`;)……。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★

白さん早速読んで感想アップしていただきありがとうございます!
おおっ、白さんの感想でまた物語の違う観点に気づけました。目からうろこです(^^)/
ヒーロー、確かにこんな家族にまともにあたったら怪我するかもと思ってあんなとんでも行動に及んだのかもしれませんね☆納得です~。本当にこの人のヒロインへの愛の深さは底知れませんね。父親が手放した土地を影で全て買い取り、ヒロインが居心地いいようにお屋敷内もリフォームしたり…。こんなに相手に好かれたら女冥利につきます。素敵な感想ありがとうございました♪招かれざる求婚者も気長に待たせていただきます。また私も白さんの感想を参考に他の作品読んでいきたいと思います^^本当にありがとうございました!

こちらこそありがとうございます

 ナナさま

 こちらこそ面白い作品をおすすめしていただいて、ありがとうございました〜。
 ヒーロー、気持ちが通じたあと、相当はしゃいでましたね(^^;)。バカップル全開で幸せそう。
『招かれざる求婚者』にたどりつくまでがまた楽しみです(´∀`)。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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