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●『青い城』ルーシー・モード・モンゴメリ

●『青い城』ルーシー・モード・モンゴメリ(角川文庫)
 29歳のヴァランシーは、親や親戚の顔色をうかがいながら日々を過ごすことにうんざりしていた。彼女の人生は、医師から「心臓病で、もって一年」という手紙を受け取った時から変わる。ずっと我慢してきたのだから、もう好きに生きる! とヴァランシーは決心したのだ。("The Blue Castle" by Lucy Maud Montgomery,1926)



 すごーくよかった……。
 アンのもエミリーのもみんな読んだけど、大人向けのこれは初めてです。こういう話、最近も読んだ気がする……(いや、ダイアナ・パーマーの『いくつものジェラシー』じゃなくてね(´∀`;))。ハーレクインのテンプレ的雰囲気がありますが、HOTシーンはもちろんありません。いや、なくて全然けっこう。普通のロマ本でもあってもなくてもいいと思う人間なので。こういうシンプルな構成で、物語の基礎や描写の巧みさを読ませる作品の方が、
「想像の余地があるわ!」(by アン・シャーリー)
 なので。想像というか、妄想ですが。
 前半はヴァランシーのはっちゃけぶりが楽しく、後半は切ない。けど、全体的によく泣かされました。頻繁に出てくる美しいカナダの景色を、ヴァランシーがどう思って見ているのか、と考えるだけで涙が出た。中盤の友人シシィとのエピソードも、あっさりめなところがまたいい。
 ヒーローのバーニイはちょっと影が薄いけど、それもまた妄想の余地ありで、かえってよかったですよ。でも、彼が作家であることがラストのポイントになると思っていたのに、それは適当に流され、「実はお金持ちでした」という別のどんでん返しが出てきて、それがヒロインとその家族の和解(?)のきっかけになるという仕掛けに、読み終わって少したって気づき、ちょっと愕然とした。唐突なようでいて、あの和解にはすごく必要なことだったんだ……。
 しかもその和解が、「なんだかんだあっても、家族はやっぱり大切」みたいなありふれた人情話で終わらないところが一番よかった。俗物を納得させるには、やっぱお金か(´∀`;)。ヒロインが母への愛に目覚めることも、母が彼女に謝ることもなし! すごく現実的なのに、ヒロインの身に起こったことはドラマチックでロマンチック。そのバランス、素晴らしいよ。いやー、やっぱモンゴメリだわ。

 タイトルの『青い城』ですが、これはみじめな生活を送っていたヴァランシーが一人の時に逃げ込む想像の場所のことです。私も持ってた。今も持ってます(今は逃げ込む場所とはちょっと違うけど)。そこもまた胸を突くんだよね。
 ああっ、私はもうおばちゃんなのに、どうしてこういう基本中の基本みたいな話読んで泣いてるんだろう……。
 モンゴメリ(&村岡花子さん)が日本中の女の子たちに与えた影響って計り知れない。これを若い頃に読んでいたら、どう思っていたかなあ。
(★★★★★)
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tag : ヒストリカル 角川文庫 ★★★★★

ハーレクインのテンプレ

今日「青い城」のレビューをアップしてから検索してみたら、白さんも既に書かれていたのを発見、いそいそとコメントしに来ました♪
ハーレクインのテンプレートって感じたところが、白さんとまったく同じでした。ヒーローの帰還・復讐ものだとエミリー・ブロンテの「嵐が丘」を思い出すんですが、これは病気・余命わずかものでしょうか。(^^;ゞ
良質な作品ですよね。私も、モンゴメリーのアンとエミリーシリーズは全巻持ってます。(*'-'*)

良質の定番こそ好きなんです(^^)

 りらっくまま様
 病気・余命わずかものって、ハーレでもたまにありますよね。記事にも「最近も読んだ気がする」と書いたのですが、それがどうしても思い出せないんですよ(^^;)。
 アンとエミリー、全巻持ってますか! 私もかつて持っていましたが、どうしてどこかへ行ってしまうのかなあ……orz
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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