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◆『純愛の城』ペニー・ジョーダン

◆『純愛の城』ペニー・ジョーダン(ハーレクイン)
 祖父母の遺灰を故郷に埋葬するため、ルイーズはシチリア島へやってきた。ここには苦い思い出しかない。10年前──18歳の頃、家族で滞在していた時、彼女はある過ちを犯した。それに対して、父は怒り、住民からは蔑みの言葉を投げつけられた。ルイーズはこの島の領主ファルコナリ公爵シーザーと一夜をともにしただけなのに……。("A Secret Disgrace" by Penny Jordan, 2012)



 去年の12月に亡くなったペニー・ジョーダンの遺作です。
 珍しくヒーローの苦悩が前面に出ていて、それが作者の苦しみでもあったんだろうか、とつい思ってしまいます(考えすぎだろうけど……)。
 とはいえ、ヒーローの苦悩は……単なる自己嫌悪なんだよね。
 彼は22歳の頃、ヒロインに惚れて一夜をともにするんだけど、それを旧態依然とした村長に知られてしまう。

「あんなふしだらな女とつきあっているなんて! 公爵としての家名が傷つきます!」

 そんなうるさい姑みたいなことを言われちゃう。
 若い領主だから年寄りたちにナメられていたらしい。彼女をかばったら、余計にナメられる! そんなのやだー・゚・(つД`)・゚・ ウェ―ン
 ということで、そそくさと島を逃げ出し、後処理を村長にまかせる。
 何その金持ちのバカ息子丸出しの態度は。その行動、ヒーローじゃないだろ!そこらにいる考えなしのチャラ男と同じじゃないか!
 そういう時こそハーレのヒーローらしく傲慢さで乗り切るべきなのに、なんでマザコン息子のように言いなりになっちゃうかなあ(-"-;)。
 ヒロインもちょっとグレていたんだけど、関係ない村人たちに魔女狩りのように吊るし上げられ、親もそれに乗じて責めるとか、そんなことされるほどじゃなかったと思うんだよね。
 結局再会して、「お互いにやっぱり好き」となるわけですが(息子もいるし)、再会のきっかけはヒロイン祖父の手紙だし、ヒーローは自分じゃほとんど動いてない。謝罪の手紙に返事が来ないからあきらめるぅ? それは、

「返事がないからこのままにしておいてもいいかな? いいよね? いいんだよね?(´・ω・`)」

 そんなふうに自分の情けなさを棚上げしただけだ(゚Д゚)ゴルァ!!
 私としては、やっと探し出したヒロインにはもう優しい夫がいて、息子もなついていて、新しい弟妹もいて──それを遠くで見守りながら一人淋しく島に帰る……みたいな話でもよかったなあ、とも思いますよ。ていうか、ヒーローは当て馬の立場だよね、ロマンス的には。
 ただ、プレイボーイの改心ものはよくあるけど、「クズの改心」という切り口は新しい(´∀`;)。もう少し領主としての重責や一人の男としての孤独感とかまで描いたら、もっと深い話になったと思う。ペニーさんに、もっとこういう切り口のものを書いて欲しかったな……。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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