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2013 · 02 · 24 (Sun) 15:06

▼『希望は君の瞳の中に』スーザン・ブロックマン

▼『希望は君の瞳の中に』スーザン・ブロックマン(ハーレクイン)
 5年前、任務中に膝を負傷した時から、「SEALsに復帰したい」と思い続けてきたフリスコだったが、ついに「復帰の見込みはない」と医師に言われてしまった。失望を酒で紛らそうとするが、それではろくでなしだった父親と同じだ。だが、どうしたらいい? 親切な隣人マイアの言葉も耳に入らない。そんな時、姉が姪のナターシャを連れてやってきた。アルコール依存症の更生施設に入るため、ナターシャを預かってほしいと言うのだ。("Frisco's Kid" by Suzanne Brockmann, 1997)
・〈危険を愛する男たち〉シリーズ第3作

 ヒーロー、自分の居場所はSEALs、と決めていた人なので、膝を壊し、杖をつかないと歩けないという現実に心がついていかず、苦しんでいます。
 持っていたものを、しかも苦労して手に入れたものを失うのは、誰でもつらい。暑苦しいほど男っぽい世界であるSEALsから弾き飛ばされたように思っているのなら、男として自分の「強さ」そのものをなくしたと絶望してもおかしくありません。
 女は最初からそういうものを持っていないので、

「それだけが強さじゃないのに(´・ω・`)」

 とすぐに理解できるけど……男って、結局「男らしさ」も努力しないと手に入らないのかなあ。女も、最近は「女子力」などは努力しないと身につかないみたいですが(´ω`;)。
 マッチョな世界でしか生きてこなかったヒーローが、新しい世界に足を踏み入れる決意をする物語です。私だったら、5年も粘らない、粘れない。ある意味すごいな、と思いました。
 ヒロインも我慢強い……。いや、彼女のおかげでコロッと変わったとも言えるか(´д`;)。5歳の姪っ子もかわいいです。

 ところで先日、映画『ゼロ・ダーク・サーティ』を見て、米海軍特殊部隊SEALsについて私は少し誤解していたかもしれない、と思った。
 プロフェッショナルな集団、というのは確かに当たっているんでしょうが、それはあくまでもアメリカ基準であって、日本人ていうか私が思い描くようなものとは違うらしい。
 よく考えてみたら、私の頭の中のSEALsの手際は、軍人というより「忍者」っぽい(^^;)。日本古来の特殊部隊ということで、無意識に置き換えていたのかしら。それとも、ロマンス作家たちの描くSEALs隊員たちの繊細さは、任務中にも発揮されると勘違いしたのか。
 とりあえず、今までよりも気持ち雑な連中、と脳内イメージを修正しておきます。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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