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2013 · 03 · 14 (Thu) 16:01

◆『疑われた無垢』ジェシカ・スティール

◆『疑われた無垢』ジェシカ・スティール(ハーレクイン)
 デヴォンは15歳の時、事故に合い、足が不自由になった。同時に母も失い、ふさぎこむ毎日だったが、父と二人で必死に生きてきた。21歳になった時、スウェーデンの病院で完治する可能性のある手術を受けられることになる。しかし二ヶ月後、彼女がロンドンへ帰ってきた日、父が手術の費用のため、会社の金を横領していたことが発覚する。父を告訴しないよう頼むため、デヴォンは社長のグラントに会いに行く。("Tomorrow…Come Soon" by Jessica Steele, 1983)

 今月の新刊です。
「父親を告訴しないかわりに愛人になる」という定番のお話。クズな父の場合もあるけど、この作品は「娘に最高の医療を受けさせてあげたい」という気持ちからのこと。
 それ自体は理解できるし、父親がヒーローに本当のことを話さなかったのは、娘を気遣ってのこと。ずっとひきこもっていた娘が青春を取り戻す機会を奪いたくなかったから。
 それが裏目に出て、ヒーローに、

「娘が外国で遊ぶ金のために横領したのか(゚Д゚)ゴルァ!!」

 と誤解させ、ヒロインがあわてて事情を話しても信じてもらえない。
 ここら辺の誤解の過程に関しては、私の中で少しすり合わせないと自然に入っていかなかった。それは多分、父親やヒロインの主観が横領という罪を犯した人のものにしてはちょっと(´д`;)──というものに見えたから。
 あとヒロインの愛の自覚がけっこうやっつけな感じだった(´∀`;)。「ここらで自覚させとかないとイカン!」みたいな。
 しかしそれ以外はとてもよかった。ジェシカ・スティールといえば「寸止め」ですが(´ω`;)、まるで悪代官のように手を出した最初の段階で手術痕を見つけて、そこからずーっと我慢し続ける。
 ヒロインは、

「抱かれないと父が告訴されちゃう!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

 と思っているので、我慢しているヒーローに対して慣れない誘惑をしかけたりする。すると短気で口の悪いヒーローは怒る。心配している時も怒る。
 怒られたり怒鳴られたりで、ヒロインは、

「私のこと嫌いなのね(´・ω・`)」

 となる。あっ、この気持ちを表すために愛を自覚させたのか……。でも、自覚ないまま、最後ヒーローに告白されて気づく、という天然ぶりの方が私は好きかな。
 世間知らずな女の子に翻弄されるヒーローという図式のようでいて、実は足(ていうか腰)が治ったのに青春も謳歌しないままひと回り以上年上男に捕まってしまう無垢な女の子の話、とも読めます。ヒーロー、彼女を世間知らずなまま嫁にしたかったと見える。けっこう黒いな。黒さにオマケ。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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