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2013 · 03 · 24 (Sun) 19:18

●『女王の娘』アイリス・ジョハンセン

●『女王の娘』アイリス・ジョハンセン(二見文庫)
 1587年イングランド。スコットランド女王メアリ・スチュアートの隠し子と噂されるケイトは、狂信的な牧師の元で虐待される毎日を送っていた。そこへ辺境の島クレイドーの領主ロバートが現れる。イングランド女王エリザベスの命令により、彼はケイトを妻にしなければならなかった。「お前の存在はあまりにも危険過ぎる」とロバートは言うが、ケイトは自分には何の力もない、と思っていた。("The Magnificent Rogue" by Iris Johansen, 1993)

 再読です。
 オチというか、ヒロインの正体は憶えていたのですが、それでも面白かったです。実は邦題がとても秀逸なんだよねー。
 ヒーローとヒロインの出会いで印象に残っているものというのはいくつかあるけど、この作品はその中でもトップクラスのインパクトです。キ◯ガイ牧師のしつけという名の虐待を受け続けているヒロイン、ヒーローの前へ馬でひきずられてボロ雑巾のように登場。マジで、

「わあっ、人だった!ヽ(´Д`;)ノ」

 という状況です(西部劇かよっ)。ヒーローならまだしも、ヒロイン、しかも16歳の女の子に何てことを(つД`)。
 そんなヒロイン、自分の立場が政治的に利用されたらすごく危険ということに、世間から隔絶された子供なのでよくわかっていない。

「そんなやっかいな女をどうして俺がひきとらなくちゃならないんだ(;`ω´)、ブツブツブツ……」

 と怒っているヒーローですが、出会い頭に「あまりにもかわいそう」と思ってしまったこともあり、一緒に旅していくうち、その気概と孤独な心に惹かれていく。でも、最初のうちは頑なに拒否する。爆弾を抱えているようなものだもんね。
 とはいえ、結局は屈服。ラストの方では彼女の選択に一喜一憂し、どっちにしろ付いていく気満々になってる。さすが女王様というか、かかあ天下というか。
 血筋で王位を決めるというのはどうなんだろう、と思ったりするけど、ちゃんとその資質を受け継いでいる人がいれば、いわゆる『ダービースタリオン』の爆発馬みたいな能力の持ち主も生まれるのであろう……。ヒロインはきっとそういう人になれた存在なんだろうけど、平凡な幸せを選んで満足する。
「平凡な幸せ」と一口に言うけど、それって今(そして多分昔も)、全然平凡じゃないからね(´・ω・`)。この作品でだって、さんざ苦労してつかんだものだから大切って思えるのだ。
 だから、ヒロインとその母との対比も、とても普遍的。自分の力を活かしきる人生と、愛する人たちと静かに暮らす人生──どっちにも光と影はある。あってこその人生。だからこそ面白いのか。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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2013-04-01-16:01

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本当に大切なもの

 コメントありがとうございます!
 爆発馬は、最近のでは出ないらしいですね……。私はMac版のに一番ハマっておりました(古いorz)。
『七つの黄金郷』ってそういう話だったんでしたっけ!? もしかして読んでないかも……私も探してみます。
 昔はロマンス小説の幸せって安易だと思ったこともあったのですが、歳を重ねると変わるもんだなあ、と考えたりしている昨今です。
2013-04-04-08:29

三原 白 http://miharashiro.blog5.fc2.com/URL [ 返信 * 編集 ]