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2013 · 05 · 02 (Thu) 14:15

◆『二百万ドルの情事』メラニー・ミルバーン

◆『二百万ドルの情事』メラニー・ミルバーン(ハーレクイン)
 婚約中にスキャンダラスな映像が出回ったせいで、捨てられたジゼル。だが、それは彼女のものではなかった。あれが双子の片割れの映像だと知った元婚約者のエミリオがジゼルの元へやってくる。そして「一ヶ月イタリアで一緒に過ごしてほしい。百万ドルでどうだ? 一度だけチャンスをくれ」と言う。それに対しジゼルは「承知するとしたら最低でも二百万よ」と言い放つ。("Deserving Of His Diamonds?" by Melanie Milburne, 2012)
・ミニシリーズ〈スキャンダラスな姉妹〉I

 ヒーロー、とにかく偉そうです。
 自分がヒロインを信じなかったせいで破局したことを後悔しているくせに、ちゃんと謝れない。パフォーマンスだとしても最低限土下座だろ、と思うけど、とんでもない。

「こうやって俺様が謝りに来てやったんだから、ありがたく思え。これでいいだろ? もうこの件は終わりな。さあヨリ戻すぞ( ゚Д゚)」

 何この態度は──(-"-;)。これじゃどんなに寛大な人だって許せないと思うけどっ!
 一ヶ月でヨリが戻ることに自信満々なヒーローだけど、心揺れるヒロインが不安定な態度を取るたびに、

「いつまで過去にこだわってんだよ?」

 とイライラし、とにかく、「昔のことは水に流して」とか「終わったことを何度も蒸し返すな」と主張する。
 それってもう、俺様とか傲慢とかじゃなくて、「モラハラ」だと思うんですけど(´ω`;)。
 たとえばこれがロマンスではなく、ヒーローがいじめっ子でヒロインを過去にひどくいじめてたって話だとする。良心の呵責に耐えかねた彼がこの理屈で、

「謝ったんだから許せ」

 と言ったら、ただのクズですよ。余計に腹立たしいだけ。
 ヒーローとしたら「ちょっとした誤解じゃん」だろうけど、ヒロインは別れたあとに彼との子供を死産しているんだよね。だから彼の「ちょっとした」みたいな認識に触れるたびに激怒ですよ。まあ、亡くなった娘のことをヒロインも言わないんだけどさ。けど、言えない気持ちもわかる。
 いじめやハラスメントは、やられた方がどう感じるかであって、やった方が決めつけるものではない──ということがわからないからやっちゃうのがこういう人たちなんだし(´・ω・`)。
 そういう意味で、このヒーローはかなり病的だと言える。悲惨な生い立ちのせいでもあるんだけど、プライドが高いというより、肥大している。限りなくサイコパスに近い人。でも、かつての自分のような子供をなくすための慈善事業にも取り組む立派な面もある。
 ただ、現実にこういう人が本気で後悔すると、心が壊れるんじゃないかと思うんだよね……。価値観が根底から覆って、罪悪感に押しつぶされるというか……。
 ロマンスなのでヒロインの愛の力で何とかなるし、ヒーローも(やっと)ボロボロ泣きながら謝るけど、頭の片隅で「サイコパスの反省って長続きしないのよね(´д`;)」という声が──。彼は違うと思いたい……。
 いまいちスッキリしないんだけど、これくらい病的に「愛」を拒絶し続けたのちの「愛してる」には説得力あるかも、とラストを読み直して思ったりもした。でも、愛を持続させるには信頼が必要なのだよ……>エミリオ
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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