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◆『狂おしき誘惑』シャーロット・ラム

◆『狂おしき誘惑』シャーロット・ラム(ハーレクイン)
 ギリシアで継父と継妹と暮らすクレアは、ある日継妹が連れてきた会社社長ベンと出会う。継父の決めた男性と結婚することが決まっているクレアは、ベンの強烈な魅力に惹かれながらも、彼からの誘惑を拒絶する。彼が求めているのは愛ではない。だが私も、このまま親の言いなりに結婚してもいいのだろうか……?("Sedution" by Charlotte Lamb, 1981)



 いやあ、シャーロット・ラムの拉致監禁ストーカーヒーローが読めるとは(´∀`;)。長生きはするもんです(違
 ヒロイン、母と死別したあと育ててくれた継父に対しての恩を感じており、言われるままに結婚しようと思っていますが、ヒーローの登場でいろいろと自分のことを考えるようになる。かといってしつこく迫ってくるヒーローに身を任すこともできないので、生まれ故郷のイギリスに帰って自活しよう、と決心する。
 ここら辺はいかにもシャーロット・ラムのヒロイン。芯が強くて独立心もある。ヒーローの誘惑に流されそうになっても、かろうじて踏みとどまる。
 だが、ここからがすごい展開。イギリス行きの飛行機に乗った時に知り合った親切な女性について彼女の家へ行ったら、なんと待っていたのはヒーロー!
 だましたことに激怒するヒロイン、

「あなたと話していると吐き気がするわ(`Д´#)」

 とまで言っても家に閉じ込められ、最終的にはむりやり手篭めですよ。
 ハーレだとここであきらめてしまうヒロインが多いですけど、シャーロット・ラムのヒロインは強い。現実的で、自分をよくわかっている。逃げ出す機会を逃さず、仕事を探して働きだします。「そのあと妊娠がわかって」みたいな展開にならないのもいい。
 ヒロインの拒絶は当然なのです。ていうか、普通はこうだろ(-ω-;)、という感じ。自分と彼の気持ちが違いすぎるんだもの。すれ違って結局は破綻するのが見えている。一縷の望みにすがるヒロインも多いですが、冷静に見たら自分が傷つくだけと丸わかり。何しろ、彼は自分を変える気が一切ない。自分だけが正しいし、ヒロインが自分の言うことを聞けば自分の思うとおりに楽しく暮らせる、と思い込んでいる。
 このヒーローの造形は非常に説得力があった。ヒロインの継父が、彼女に対して父以上の感情を抱いている、というのを見抜いた洞察力がまた効果的。つまりは元々同じ穴のムジナみたいなもんだったのです(´ω`;)。
 しかし、ここからもまたすごい。
 ヒーローは当然彼女を見つけだす。かなり反省し、そしてもちろん平謝り。

「君を愛している。自分の思いこみにとらわれていて、真実の愛にめぐり合ったことに気づかなかったんだ」

 とプロポーズする彼に対して、ヒロインこう言い放ちます。

「あんなひどい仕打ちをする人と結婚するくらいなら野生の馬に引きずられるほうがましよ!( ゚Д゚)」

 これ以外にもたくさんボロクソ言われています>ヒーロー つまり、

「あれだけわからずやだったお前のことなんか信用できるか(゚Д゚)ゴルァ!!」

 ──ま、当たり前っちゃ当たり前です(^^;)。

「これくらいのお灸をすえないと、普通はわからないことなんだよなー」

 というのをシャーロット・ラムの鋭利な筆致で書かれるとなんか怖い。ヒロインのひと睨みでヒーローが黙るシーンがあるんですが、どんな目つきだったのか──。

「ゴミを見る目」

 というのはまさしくそれなのでは、と思いましたよ。
(★★★★☆)
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genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
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