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2013 · 05 · 27 (Mon) 21:27

●『気高き心は海を越えて』キャット・マーティン

●『気高き心は海を越えて』キャット・マーティン(MIRA文庫)
 1842年、ロンドン。ハンプトン伯爵の孫娘クリスタは、サーカスで見世物にされている男から浴びせられた言葉にハッとする。父が研究している滅びたはずの古ノルド語ではないか! 男の名はリーフ。北方の島からやってきたバイキングの末裔で、航海中に遭難して言葉もわからないまま捕らえられたと言う。助け出された彼は、貪欲に知識を吸収し、紳士のようにふるまうが──。("Heart Of Honor" by Kat Martin, 2007)
・〈ハート・トリロジー〉第1作

 再読です。とても忙しいので、読み終わるのに時間がかかる(´・ω・`)……。
 その分、じっくり読めたと言えるかも。
 バイキングって(訳者あとがきによれば)13世紀くらいに滅びているらしいけど、ある島でひっそりと生き延びてたら、というお話。島の外の世界を見たいとずっと願っていたヒーロー、念願の船を手に入れて出航したはいいが、遭難してたった一人だけ生き残る。
 ヒロインはロンドンで新聞を発行しているキャリアウーマン。伯爵家のために跡継ぎを儲けなくちゃならないという義務があるけど、概ね充実した毎日を送っていました。
 環境も価値観も何もかも違うという二人なのですが、ヒーローは最初からヒロインのことを「自分の妻になる女だ」と決めていて、彼女の父親にサーカスから助けられると、

「ありがとう。さっそくだがあなたの娘と結婚したい」

 みたいにいきなり話を進める(´ω`;)。
 もちろん断られるのですが、ヒーローはその返事を前向きにとらえ、勉強に勤しみ、ギャンブルで金を稼ぎ、

「見た目立派な紳士になったから、結婚して!ヽ(゚∀゚)ノ」

 とまたプロポーズ。

「なんか全然話通じないな(´;ω;`)……」

 と、愛しているけど思っちゃうヒロイン。ヒーローには長の息子としての義務と父との約束がある。でも、それと彼女の家督に対する義務は同じくらい重いとどうしても受け入れない。自分の都合ばかり押しつけるんだよね。

「これは神が決めたことだから、島に行けば彼女だって幸せになる!」

 と思ったヒーロー、バイキングらしくヒロインをさらって島に帰ってしまいます。この話のわからなさ加減は宇宙人のよう……。むりやりアブダクトされるのと同じ。
 二人の心理描写とかとても細やかだと思ったんですが、この価値観の違いがけっこうリアルに思えて、ヒーローに対して多少引いてしまったのであった……。ヒロイン拉致もそうだけど、一緒に旅立った仲間の死に対する罪悪感とかが希薄に見えるところも気になったなあ。
 ストーリーに起伏があって、楽しく読めはしたんだけどね。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







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No title

はじめまして、ヒスカルト小説のファンです。キャット・マーティン三部作ですね。弟のメリックがヒーローのも面白いですね。是非ご感想を・・。
2013-06-01-20:12

梅っ子 URL [ 返信 * 編集 ]

ありがとうございます

>梅っ子さま

 コメントありがとうございます。
 弟の話も面白いんですね。楽しみです。
 キャット・マーティンはもう一つの三部作も気になっているので、それと合わせて探します(^^)。
2013-06-03-09:34

三原白 http://miharashiro.blog5.fc2.com/URL [ 返信 * 編集 ]