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2013 · 07 · 17 (Wed) 14:34

◆『ひとりぼっちの妻』シャーロット・ラム

◆『ひとりぼっちの妻』シャーロット・ラム(ハーレクイン)
 キャロラインは結婚を機に女優をやめた。しかし、それは彼女が望んだことではない。夫で弁護士のジェイムズは彼女が仕事をすることや俳優仲間と会うことを好まなかったのだ。さらにキャロラインは子供を欲しがったが彼は反対し、そのあとに流産もし──様々なことが重なり、彼女は家にひきこもるようになる。そんな時、街で偶然昔の友人と会い、発作的に悩みを打ち明けてしまう。("Dark Dominion" by Charlotte Lamb, 1979)

 今月の新刊です。初邦訳だそうで。
 面白かったけど、ぶっちゃけ人妻のよろめき話です。ひと目惚れして勢いで結婚した夫と、演劇学校時代からの男友だちとの間で揺れるヒロイン。男友だちが当て馬的に描かれていないので、

「ヒロインはどっちとくっつくんだろう(´д`;)?」

 という緊張感がある。もちろん夫がヒーローなのはわかってるんだけど、ちゃんとよろめいているので(変な日本語)、非常に危うい。それに、シャーロット・ラムのでは当て馬だと思ってたらそっちとくっついた、という話を読んだことがあるので、油断ならないな、と思いながら読みました。
 ヒーローは一見冷たい雰囲気だけれど、それは実は、ヒロインに対する強すぎる愛と執着を隠すための仮面のようなもの。はっきり言ってヤンデレです。それをヒロインは、自分の家出を機に知ることになる。
 男友だちはずっとヒロインのことが好きだったけど、当時は彼女にその気のないことはわかっていた。「家出をした今なら、きっといける!」と思ったらしく、かなり強引に迫る。
 ヒロインは男友だちの猛チャージに大いに揺れる。でも、自分の心が弱っていることもわかっているから、「本当の気持ちを見極める方を優先したい」と彼にちゃんと言い渡す。
 私にはヒロインのその冷静さが好ましかったけど、そこら辺の心理描写がかなりリアルなので、不倫嫌いの人には地雷かもしれない。それから、ヒーローが激怒しながらのHOTシーンはほぼレイプだし、暴力をふるうシーンもある。時代だなあ、と思うけど、「嫉妬に狂う」というのはまさにこういう描写なのだろうし、ぬるさのなさがシャーロット・ラムらしい。
 単なる暴力夫だと嫌悪感が先に立つけど、愛ゆえの異常な嫉妬、と思うと小説としてちゃんと受け入れられるんだよね。勝手な読者だよな、と我ながら思いますけど(´Д`;)。
 しかしそれを受け入れられた一番の理由は、ヒロインが夫の強すぎる愛に喜んだ、というところ。クールな美男美女夫婦の裏面に、他人には一切理解できない情熱が潜む、というお話は、なかなか読み応えがありました。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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