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2013 · 07 · 20 (Sat) 15:36

◆『スキャンダル』ヴァイオレット・ウィンズピア

◆『スキャンダル』ヴァイオレット・ウィンズピア(ハーレクイン文庫)
 故郷イギリスで恋人に裏切られた看護師のファーンは、患者に付き添ってカリフォルニアへやってきた。すっかりこの土地が気に入った彼女は、ある有名女優の屋敷に住み込むことになる。女優の甥ロスはジャーナリストで、取材の際の怪我で顔に傷を負っていた。頭痛もあるらしく、ある夜、彼は鎮痛剤を求めてファーンの部屋を訪れる。("Cap Flamingo" by Violet Winspear, 1978)

 再読です。
 邦題どおり、ヒロインはスキャンダルに巻き込まれます。まずヒーローの昔の恋人が、美人のヒロインに嫉妬して宝石を盗んだ濡れ衣を着せる。小学生みたいないやがらせをされてげんなりしていたところに、鎮痛剤をもらいに来たヒーローが部屋で寝込んでしまい、朝コソコソ出ていくところをスピーカーなオヤジに見られて、
「あいつらできてる(゚Д゚)!」
 と下衆の勘ぐりをされる。
 それで二人は結婚──って、えっ!?(´Д`;)
 ヒストリカルかよっ、と思いましたが、住み込んでる屋敷は芸能人や有名人がいるってことで──スキャンダルには世間よりも敏感。だから、

「それで結婚しただけよね(´・ω・`)」

 とヒロイン。いつかは終わる結婚生活を切なく思う。
 その儚げな雰囲気が古風で上品で、とてもよかったんだけど、その分、気になるところが目についてしまった。
 まず、ヒロインがモテモテで、優しいからいろいろとスキが多く、つけこまれやすい。肝心なことをヒーローに言いそびれる。
 それから、偶然が多すぎる。かなり頼ってる。「またかよ(´д`;)」と思ったり。
 一番もったいないのは、前半でのヒーローの怪我への触れ方が足りないところ。もう少し描写して、後半でのちゃんとした伏線にしてほしかったな。
 せっかく最後はドラマチックなのにね……。二人が結局どうなったのか知りたい、と思うくらい盛り上がって終わるんだけどなあ。うーん、もったいない。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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