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◆『復讐の味は恋の味』シャーリー・ジャンプ

◆『復讐の味は恋の味』シャーリー・ジャンプ(マグノリアロマンス)
 ハリウッドの映画制作会社に勤めるアリーは、ティーン向けホラー映画のロケハンのために故郷の町へ帰ってきた。高校時代の自分は太っていて、いじめられていた。今はやせて、美しく変身している。誰も私がかつてのアリソンだと気づかない。ここへ帰ってきた目的は仕事だけではなく復讐のためでもあった。プロムの夜に私を打ちのめした男ダンカンを誘惑して捨ててやるのだ。("Really Something" by Shirley Jump, 2007)



 コミック化されるというので、急いでひっぱり出して読みました。
 うーん、なぜか読後感がモヤモヤしている。
 根本的にヒロインが嘘をついている状態が苦手というのがあるんだけど、それでもつまらないわけではないし、なかなかいいシーン(ヒロインとヒーロー妹の会話など)もあるんだけど、どうもこう──リアルとファンタジーの配分が、私には合わなかったというか。
 正直、この話をラスト直前まで読んだ時、

「あっ、この二人はこのまま別れて別々の道を歩んだ方が、小説としてきれい!」

 と思ってしまったのよね。
 それは、ヒロインがプロムの夜、どうしてヒーローが約束を破ったのか聞かされた時、あっさり許してしまったからです。それを私は、「彼のことは吹っ切れた」としか読めなかった。
 もちろんヒーローにも理由はあった。でも、私だったら許せないというか、

「ちょっとクズすぎない?(゚Д゚)」

 って声に出しちゃうと思う。父親からの虐待があって逆らえなかったということなんだろうけど、結局はヒロインの気持ちを一つも考えなかったんだしその後のフォローもないし、彼女から話を振られなかったら忘れてたという──その段階で、冷めそうなんですけど。
 それにこの二人、まだ25歳なんだよね。ひどい高校時代の悪夢を振り切り、これから人生を切り開いていくにはちょうどいい時期じゃないですか。ぶっちゃけ、その後の20年が勝負だと思うからね!(おばちゃんの意見です)
 だから、ロマンス的なハッピーエンドがなんだか似合わないなーって思ってしまった。まあ、私が若かったらもっと感情移入もできたのかもしれない。
 それに、アメリカのいじめ事情というかひきこもり事情とか、地方の事情とかは日本と比較できないだろうし、虐待を言い出せないヒーローの心情もアメリカのマッチョ神話みたいなものに支配されている気がする。関係ないかもしれないけど、欧米では雨の日に傘を差すとゲイだと思われるって噂もあり──なんだろうか、めんどくさい。トートバックも持てないし、パンツをブーツにインもできず。メガネかけてたら、傘差したいじゃん!ヽ(`д´#)ノ
 まあ、高校生が子供っていうのは、そうなんだけどね……フィクションのヒーローとしての勇気も持ってほしいな、と思っちゃうわけですよ(´・ω・`)。
 コミック化は橋本多佳子さんなので、きっとこのモヤモヤを解消してくれるはずっ、とちょっと期待。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー マグノリアロマンス ★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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