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2013 · 12 · 08 (Sun) 20:30

◆『悲しみは蜜にとけて』アイリス・ジョハンセン

◆『悲しみは蜜にとけて』アイリス・ジョハンセン(二見文庫)
 ジャズシンガーのリーサは、砂漠の国セディカーン保安部のクランシーから、犯罪者である元夫をおびき出すための協力を求められるが、断ってしまう。クランシーはリーサを誘拐して囮に仕立てようとするが、囚われの生活の中で次第に彼に惹かれていく。("Always" by Iris Johansen, 1986)
・〈セディカーン〉シリーズ

 あれれ、こっちは1986年の作品なのに、1984年に出た『燃えるサファイアの瞳』の方があとの話だよ……。セディカーンのシリーズは、ほんとに順番がわかりません。
 とはいえ、あまり気にならないけどね。
 気になったのはヒロインです。
 元々お嬢様のヒロイン。理想の相手だと思って結婚して、息子をもうけたけどその子は夫とともに事故に遭い、亡くしてしまう(夫は軽傷)。
 自分と同じように夫も傷ついて、それ故に別れたのだ、と思っているヒロインはヒーローが、

「うちらが元旦那を捕まえたら、あんたにとっても安心できることだと思うけど?」

 と言っても逮捕に協力しない。ストーカーされているのも、罪悪感からだと思っている。夫も私もかわいそうな人なんだから、もう忘れたい、つらい過去から離れたい、としか考えられない。
 でも、これはただの思いこみというか、元夫からの洗脳。彼は人格障害の人だったのです。
 一度は愛し、結婚までした人がこういう人とはなかなか受け入れられない、とはわかりますが……その葛藤があまり見えてこなくて、ちょっと惜しいです。単にウダウダしている人みたいに読めちゃう。そのあと、息子の死の真相を元夫からぶちまけられて、やっと目が覚めるのですが、割とすぐに立ち直る。
 それはヒーローのおかげと読みたいところだけど、単純に枚数が足りないだけとも言える。これくらいの時期のジョハンセンのロマンスはそういう書き込みが足りなくてもどかしいのが他にもあったなあ、と思い出す。題材としてはとても面白いし、ヒーローもいい。無骨で妙なプライドもごまかしもなし。直球の物言いが、リサ・マリー・ライスのヒーローみたい。
 相変わらず軽くてサクサク読めるのはいいんだけどねえ……。
(★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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