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2014 · 02 · 14 (Fri) 15:30

●『霧に包まれた恋人』ヴィクトリア・ホルト

●『霧に包まれた恋人』ヴィクトリア・ホルト(ラベンダーブックス)
 英国で書店を営む夫婦の一人娘として生まれたヘレナは、母親の故郷ドイツで教育を受ける。18歳の頃、彼女は森で迷い、一人の男性と出会う。帰国しても彼のことが忘れられなかったヘレナは、再びドイツを訪れ、彼と結婚したが──ハネムーンの夜から目覚めた時、彼は消えており、ヘレナの記憶は悲惨な出来事を忘れるための夢だと医師は言う。("On The Night Of The Seventh Moon" by Victoria Holt, 1972)

 いかにもなゴシック・ロマンスです。
 最近のロマンス小説だと思って手に取ると、肩透かしになるでしょう。萌えもあまりない。でも、私はけっこう満足したよ。
 読んでいるうちに、私、ゴシック・ロマンスをちゃんと知らないなあ、と気づいた。とりあえず、『レベッカ』を読もうかしら。映画は見たんだけどね。ずいぶん前だけど……。
 それはさておき、あらすじから予測すると、『幻の女』系の話かな、と思いましたが、そうでもあり、そうでもなかった。後半、思いがけず話が大きくなっていくところが面白かった。あと、もっと何か含みがあるかと思っていた人物が、普通の人だった……。
 てっきり私、あの人はロキだとばかり(´д`;)。
 原題の意味は「第七月の夜」。北欧神話に基づくお話です。いたずらの神ロキが人間界におりてくる夜なので、若い娘が一人でいるとさらわれてしまうよ、という言い伝えがあるのに、一人でお祭りの中をさまようヒロイン。そこに現れるヒーロー(名前はマクシミリアン)。連れられていった屋敷で結婚式を挙げ、二人だけのハネムーンを満喫──と思ったら、実はそれは祭りの夜に暴行され、意識を失っている間に見た夢だと言われてしまう。
 しかも妊娠までしていて、出産した子は死産で──前半からヒロインに立ち直れないほどのダメージを与えるし、後半も「えー、これハッピーエンド、無理じゃね?(´Д`;)」と思えるようなフラグが立ちまくる。
 しかも後半にロキみたいなテンション(いや、私はロキのことはほぼ『マイティ・ソー』でしか知らないのですが)の人が現れて──ただひっかき回したいからいろいろやってる、みたいな人だったので、

「ふふふ、私の正体はロキだったのだ〜(・∀・) いろいろいたずらしちゃったよ〜♪」

 とか言い始めると思ったのに……そういうパラノーマル要素はなかったのでした。
 いろいろな意味で楽しめたので、評価はちょいオマケです。恋愛よりも物語を楽しむ作品だよね。「ロマンス」の本来の意味そのままか。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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