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▼『動く指』アガサ・クリスティー

▼『動く指』アガサ・クリスティー(ハヤカワクリスティー文庫37)
 傷痍軍人のバートンは、療養のために妹ともにリムストックに屋敷を借り、移り住んだ。静かな田舎だとばかり思ったのに、まもなく匿名の中傷の手紙が舞い込み、村に不穏な空気が流れ始める。そしてある日、名家の妻がその手紙を受け取った直後に自殺してしまう。("The Moving Finger" by Agatha Christie, 1943)
・〈ミス・マープル〉シリーズ



 なんか突然、アガサ・クリスティーを読み始めました。
 初めてではないです。有名な作品(『そして誰もいなくなった』とか『アクロイド殺し』とか)などは読んでます。ただし二十代の頃(´д`;)。もうすっかり忘れているし、確かその当時に、

「クリスティーは老後の楽しみ」

 とか言っていたと思います。老後──そろそろその準備のうちに入ってくんのか、これも(´・ω・`)。
 まあ、多少前倒ししたところで大して変わらない時期に来ているから読み始めた──というのもあるかもですが、本当は彼女が別名義で書いたロマンス小説を読もうと思ったからです。日本ではその作品もアガサ・クリスティー名義で出ているんですよね。『動く指』は前々からロマンス的なミステリーとしてよくすすめられていたから、とりあえずこれから始めてみよう、ということで。

 久しぶりに読んだクリスティーで一つすごく驚いたのが、その読みやすさ!
 展開がスピーディというか、めちゃくちゃ会話が多くて、それで話が進むからどんどん読めてしまう。会話と言っても、語り手である主人公の傷痍軍人(今時あまり見ない言葉だ……)ジェリー・バートンはほぼ聞いてるだけで、田舎に住む様々な人が、自殺騒ぎとそのあとの殺人事件に興奮して、いろいろなことをまくしたてる。みんなけっこう毒舌です。ていうより俗物か。
 ロマンスとしてこの作品がすすめられるというのも、なんとなくジェーン・オースティン系の社会小説っていう感じだからでしょうかね? その地域の人間関係に限定された噂話や中傷、それでねじれていく状況──小説としては古風ですが、裏にあるものには普遍性を感じられます。
 最後にミス・マープルが謎を解き明かしますが、張られた「煙幕」にはきっちりだまされてしまったなあ……。

 ロマンスとしてのヒーローとヒロインは、語り手のジェリーと、移り住んだ村の名家の娘ミーガン。ただし彼女は妻の連れ子で、母親も義父もほったらかしにしているので、いつもみっともないかっこうだし、言動も行動も少し変わっているので「まともじゃない」と思われている。実際は頭もいいし、ちょっとおしゃれするだけで魅力的になれる女の子です。
 ヒーローはあんまりみんなが彼女をないがしろにするのに怒って、ロンドンに連れていって変身させたりする。気持ちを自覚した彼は、結婚を申し込むんだけど、それに対して彼女は、

「あたし、愛するより憎む方が得意な女なんだもの」

 と言って拒否して──というお話。
 はっきり言ってロマンスとしての萌えは少なかったんですが、他が面白いからまあいいか、という気分にもなり、いろいろ楽しめてまさにお得な感じです。
 あとは、読み終わった次の日に買い物へ行ったら、「Jane Marple」というブランドのお店を発見!

「巻末解説の久美沙織さんが書いてたお洋服のお店だ、なんという偶然!(゚Д゚)」

 とちょっと感動した。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : サスペンス/ミステリ ハヤカワ文庫 ★★★★ シリーズ

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    プロフィール

    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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