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●『誘惑の炎がゆらめいて』テレサ・マデイラス

●『誘惑の炎がゆらめいて』テレサ・マデイラス(二見文庫)
 裕福な商人の娘クラリンダは、婚約者の元へ向かう船が海賊に襲われ、さらわれてしまう。彼女の婚約者ドレイヴンウッド伯爵は、冒険家として世界を巡っている弟アッシュに彼女の救出を依頼する。彼はスルタンのハーレムに侵入し、“客人”として囚われているクラリンダと再会する。9年前の苦い別れ以来だった。("The Pleasure Of Your Kiss" by Teresa Medeiros, 2012)



 ちと読むのがつらかった。なぜかというと、私の苦手な設定がみっしり詰まっていたから。
 まず、「シークもの」であること。いや、ヒーローはシークじゃないのですが、ほとんどの舞台がスルタンの宮殿で、シークと、ヒロインと一緒に拉致されたヒロイン友人とのロマンスも同時進行します。ハーレム内の陰湿ないじめとか描かれて、なんだかめんどくさい(´д`;)。
 そして、ヒロインがいろいろ嘘をついている状況だということ。彼女はシークから結婚を申し込まれていて、それに乗り気であると嘘をつかざるをえない。バレると殺されちゃうかも、ということなんでそれは仕方ないのですが、その結果ずっとヒロインがギスギスしていることになり、読んでて安らぎがない(´・ω・`)。
 さらにもう一つ、もっとも嫌いかもしれない「逃げるヒーロー」!
 いや、実は彼は帰ってきていた、というのは最後にわかる。いったん逃げはするんで、微妙なのですが、そういうことなら、私のこのイヤ〜な気分で読み進めてきた時間はなんだったんだという……orz
 物語のポイントは、ヒーローの兄なのです。最後の最後でわかるんだけど、こいつが実はラスボス。超クズな奴で、二人はこいつに踊らされて無駄な9年を過ごしたのか──という、私にとってはとても後味の悪い作品になってしまった。
 まず最初に「ヒーローがヒロインをヤリ逃げする」ってとこからして、モヤモヤするわけです。まあ、発端はそこなんで、ヒーローにどうしても好感が抱けなかった。若かったからとはいえ、とりあえずヒロインのそばにいてあげてたら、その後の悲劇は防げたんだからね。自分のプライドを優先して逃げるにしても、彼女に何かあった時に駆けつけるだけの配慮はできなかったんだから。
 まあ、つまりは兄弟そろってクズだった、という話ですよ(´・ω・`)。何、このクズ兄弟。こいつらのせいで、人が二人死んでる! まったく悪くも責任もない人たちが! ただの巻き添えですよヽ(-言-)ノキエーッ!!
 かといってヒロインに同情できるかというと、立ち回りにそつがなさすぎてかえってややこしい状況になる、みたいなところがあり、しかも妙にモテモテなので、ちょっと「女に嫌われるタイプ」って雰囲気なんだよなあ。
 この作品、続編ではヒーロー兄が主役なんだそうですが、それってトレイシー・アン・ウォレンの『あやまちは愛』のDQN姉が主役の話を真っ先に思い浮かべたくらいの地雷臭がする……。

 あ、評価は低いですが、これはあくまでも、
「私にとって苦手な設定がてんこ盛りだった」
 ということなので……あんまりあてにしないでください。
(★☆)
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genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 二見文庫 ★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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