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◆『炎のコスタリカ』リンダ・ハワード

◆『炎のコスタリカ』リンダ・ハワード(MIRA文庫)
 富豪の娘ジェーンが、スパイ事件の巻き添えを食って誘拐された。父親は娘の救出にうってつけの男として、元諜報員グラントを探しだす。仕事を引き受けざるを得なかった彼は、ジャングルの奥地の屋敷に監禁されたジェーンの楽しそうな様子を見てあ然となる。("Midnight Rainbow" by Linda Howard, 1986)
・〈ケル・サビン〉シリーズ第1作



 シリーズ名として、これは正しくないのかもしれませんが、一応こうしときました。ケル・サビンはヒーローの元上司(?)として登場。サビン自身が主役なのは次作『ダイヤモンドの海』です。
 実は、シリーズ他の作品は全部読んでいます。これだけなぜか読んでいなかった。他のを読み返すために読んだのですけど、発見が一つ。

「こっちの方が『ロマンシング・ストーン』に似てる!(゚Д゚)」

 ……いや、別に何か文句つけようとか、そういうんじゃなく──実は、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』を見たり読んだりしたあと、リンダの『石の都に眠れ』を読み返したいなあ、と思っていて、実際に最初のところをちょこっと読んでいたんですが、それをすっかり忘れてこの作品を読んじゃったら、「あ、こっちの方が影響受けてるな」と思ったのです。発表年も近いし。
 影響ったって、「男女がジャングルで逃げ回る」ってだけなんですが(´ω`;)。でもきっと、あちらでは『ロマンシング・ストーン』以後にこの手の話がいっぱい出たんじゃないかな、と思いました。
 とはいえ、ヒーローヒロインともに超しっかりしている! サバイバルもの書かせるとなぜこんなにうまいんだ!
 ヒロインは、軽薄な娘のふりをしていますが、実は幼い頃誘拐されたことがあり、身を守るための護身術や銃の扱いなどを親から仕込まれています。しかし、心配故に過保護な両親から離れて自立したいとも思っている。世間に流されている彼女の噂は、誘拐などから逃れるためのフェイクです。
 ヒーローはベトナム戦争の後遺症か、人に心が開けない。ああー、こういうヒーロー像もこの頃はたくさんあったんだろうなー。でも、今になっても面白く読めるのがリンダの実力でしょう。
 こういう状況で結びつく男女っていわゆる「吊り橋理論」じゃないの? 大丈夫? と思ったけど、ヒロインよりもヒーローの方がその効果を心配して、先に身を引いてしまった。

「どうせ俺は一匹狼さ(´・ω・`)」

 というひねたヒーローに対して、ヒロイン策を巡らします。ちょっと変わったカップルだ(´∀`)。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー MIRA文庫 ★★★★ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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