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2014 · 04 · 12 (Sat) 16:23

▼『ジャスミンは死の香り』ヘザー・グレアム

▼『ジャスミンは死の香り』ヘザー・グレアム(MIRA文庫)
 漫画家のキットは、父が入院している病院でデイヴィッドに出会った。彼は造船会社の幹部で、美しい入江にある“ブーゲンビリア”という屋敷に住んでいる。キットも幼い頃に住んでいたというその屋敷では、母が亡くなっている。父が話もしなかったブーゲンビリアに、父の死後、夫となったデイヴィッドとともに帰ることになるが──。("Bougainvillea" by Heather Graham, 2003)
・アンソロジー『ミステリー・イン・ブルー ─危険な饗宴』

 なかなか胸糞悪い話ですが、けっこう面白かったです。
 海に囲まれた陽光あふれる美しい大邸宅で繰り広げられるのは、横溝正史も真っ青なドロドロの悲劇。二人しか死んでませんが(人数は問題じゃないけどね)。
 荒涼たるスコットランドでも山奥の日本家屋でもないのに、どこで起こってもこういうことは同じ雰囲気になるんだなあ、と思いました。ゴシックロマンの基礎がしっかりしていると言えるのか。
 プロローグでヒロイン母が殺されていることはわかっているので、読者は「誰が犯人か」と疑って読み進む。みんな怪しい。ヒロインともう一人近所の女の子以外、全員(もちろんヒーローも)。すごくわかりやすく性格悪いのもいるし、裏がありそうなのもいるし、まったくの無害に見えてもそこが怪しそうなのもいるし。
 こういう話は、あまり長いと途中でダレてきて、「もう誰が犯人でもいいや(´д`;)」みたいな気分になったりするのですが、これは短編なので大丈夫でした。ロマンスの部分も最初の方にまとめてあってあっさりしていたので、お話に入り込めた。
 胸糞悪いのは、すべての元凶を作った奴の自己中さ。ヒロイン母のビッチぶりも後味悪いですが、この人は殺されちゃったしなあ(´・ω・`)。
 実は読み終わる寸前まではけっこう評価高かったのです。でも、エピローグ読んだら、

「ええーっ、信じられない(゚Д゚)!」

 と思っちゃって。
 個人差はあるでしょうが、こんなとこ、私だったら住み続けられない!
 しかし、今書いてて思った。

「もしかして、それも含めての物語だったのでは?」

 と。
 よくわかってないけど、今時の言葉で言えば「イヤミス」って奴ですか?
 ヒロインも所詮、この一族の人間ってこと?
 うわ、だとしたら気持ち悪い──いい意味で(?)。
 けど、それって作者の意図なのかなあ。意図どおりなら、評価したい。でも、よくわからない……。だって一応ロマンスなんだもん。
 わからないから、迷った末にこうしておいた。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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