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2014 · 04 · 13 (Sun) 15:48

◆『イシュベルの誕生会』ステイシー・アブサロム

◆『イシュベルの誕生会』ステイシー・アブサロム(ハーレクイン)
 ベサニーは、18歳の時に起こした交通事故で、少女の命を奪った。何もかも失った彼女は、以来10年、良心の呵責に耐え、贖罪の気持ちから国際救護部隊の看護師として危険地域で働いてきた。だが、大怪我を負ったことで医師から休養を命ぜられ、ある女性の付き添い介護をすすめられる。しかし、その女性の甥は、事故のあと去っていった片思いの相手フレイザーだった。("Ishbel's Party" by Stacy Absalom, 1986)

 今月の新刊(再刊)なのですが、帯には、

「ハーレクイン史上、最も悲惨なヒロイン」

 とあります。
 確かにそうだった……。「3か月連続企画」というテーマもあり、今回は「悲運」。まさに「悲運」としか言いようのないヒロインだ……。
 種明かしをしてしまうと(途中からそうなんじゃないかなと思ってたけど)、ヒロインは人身事故は起こしておらず、クズな義兄に罪を着せられていたのです。一番悪いのはこの義兄なんですが、ヒーローがもっとしっかりしていれば、ヒロインはこんないらん苦労はしなくてすんだ、というのも確かです。
 それを言うならヒロイン義父もそうなんだけど、妻の連れ子よりも自分の息子を信じてしまうというのは、まあ、無理からぬことだ(´・ω・`)。(ヒロイン実母は男とアメリカに逃げている)
 だから、彼女は家族も頼れない。酩酊して記憶もなくしているから、支えてあげられる大人はヒーローしかいなかったんだけど、まったく冷静な対応ができてない。もう27歳だったのに! やっぱりヒロイン義兄にだまされちゃうし。
 使えねえな(゚Д゚)ゴルァ!!
 後半で、さすがに彼自身そう思い知ったようですが、もうここまで来ると「反省」という段階ではないよね。ヒロインの身体の傷を見るたびに、「使えない男」としての自己嫌悪に陥るといいさ!
 もう少し早く彼が妹(これがイシュベル。彼女の誕生会の夜に事故があった)に事情を話していたらよかったのに……。私がイシュベルだったら、とりあえず兄貴をボッコボコにする。

「なんで今まで言わなかった!?ヽ(`д´#)ノ」

 っていうのだけでも。
 とはいえ、彼女も責任を感じているわけだし……兄貴と同罪とは思っているようです(´・ω・`)。
 かなり泣ける作品ですけど、ちょっとだけ後味が悪いというか──モヤモヤするというかね……。面白いんだけど、やっぱりヒロインの苦悩の10年がねえ。彼女にはもっといい男の方がいい気もするよー(´д`;)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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