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2014 · 04 · 20 (Sun) 13:37

●『金の星に願いを』メアリ・バログ

●『金の星に願いを』メアリ・バログ(MIRA文庫)
 牧師の娘ヴェリティは父亡きあと、母と病気の妹とともにロンドンへ出てきた。条件のいいコンパニオンの仕事についたと家族に思わせて、劇場でブランチという名の踊り子として働いていたが、クリスマスを前にして、フォリングズビー子爵ジュリアンがブランチを休暇旅行に誘う。彼はその休暇が終わったら、親のすすめる相手と結婚する予定だった。("A Handful Of Gold" by Mary Balogh, 1998)
・アンソロジー『クリスマス・オブ・ラブ──十九世紀の愛の誓い』

 コンテンポラリーのクリスマスものは、どうもピンと来ないものが多いのですが、ヒストリカルだとしっくり来る気がします。
 それは、「クリスマス」という行事やそれに伴う「奇跡」が、ロマンスというファンタジーの中により馴染んでいるように思えるから。コンテだと浮いて見えるものが、ヒストリカルだと境目が曖昧になる気がするのです。
 メアリ・バログは割となんでもないことをじっくり描く作家さんだと思うんですが、短編でもその印象は変わらず。題材にハマれさえすれば、しみじみと心に染みてくる。
 妹の病気の治療費のため、ヒーローの申し出に応えるヒロインですが、屋敷の使用人や雪で遭難した人たちを巻き込んで、クリスマスのお祝いを催します。そして、数日前には知りもしなかった二人の間にも奇跡が訪れる。それだけの話。しかし、なぜか泣けるのね──。ほんとに起こっていることは、なんでもないことなのに。
 いつもクリスマスものを読むと、「日本だと正月だよね」と思うのですが、今回はなぜか夏休みの思い出みたいな気分になりました。田舎の祖父母の家へ行って、山や川で遊び、みんなでスイカを食べたり、とうもろこしをもいだり。花火大会で浴衣を着たり、線香花火の匂いを思い出したり、ホタルをつかまえたり。
 生きるのがつらい時に、少しだけ気持ちを楽にしてくれる思い出みたいな──。
 欧米人にとってそれがクリスマスなら、日本はやっぱり盆か正月なのですかね?
 季節の行事はちゃんとやった方がいいよね、特に子供の頃は。年をとると面倒になっちゃうから、余計にね(´-ω-`)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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