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2014 · 07 · 26 (Sat) 22:08

▼『黒の微笑』アン・スチュアート

▼『黒の微笑』アン・スチュアート(MIRA文庫)
 アメリカ人のクロエは、パリで通訳や翻訳をして暮らしている。ある日、ルームメイトから臨時の仕事を代わってくれと頼まれる。郊外のシャトーで行われる食品業者の会議での通訳だ。そこで出会ったのは、危険な黒い瞳の男、バスチアンだった。("Black Ice" by Anne Stuart, 2005)
・〈アイス〉シリーズ第一作

 ヒロイン、ちょっとしたバイトだと思って行ったら、実は怪しげな秘密会議(武器の密輸)で、余計なことに頭を突っ込んで殺されかけます。それを救うのがヒーロー(ある組織のスパイ)。
 ただこのシリーズ、ダークヒーローがテーマなので、全然優しくない。ヒロインがこのままだと拷問を受けるってわかっているのに、しばらくほっとく。きっとその間、書いてないけどおそらく迷いに迷って、「いや、ちょっと立ち寄っただけ」みたいな感じで助けに行きます。
 でもヒロイン、けっこうガチに拷問受けてた(´ω`;)。ちょっとびっくりした。
 ボロボロの彼女を救い出し、パニックになったらぶん殴って黙らせ、

「次に叫んだら、俺が殺すからな(゚Д゚)」

 と脅す。
 終始こんな感じで、突き放したり脅しながらも結局二人で逃げる。
 ツンデレ?(´д`;) しかもドSの?
 ヒロインが彼のことを好きになったからいいようなものだけど、「一刻も早く悪夢を忘れたい」と思っていたらどうなってたんだろうね。すっかりストーカーですよ、ヒーロー。戸締まりしても意味ないし(´・ω・`)。
 なかなか面白いヒーローだったけど、ここまでひねくれてて普通の生活はできるのかよ、と思った。一緒に暮らしたりしたら、ドSが高じて壮絶なケンカとかもありそうだし……。まあ、退屈はしなさそうだけど、ちょっとめんどくさいかも、と思わなくもない。
『無慈悲な王に手折られし薔薇』と似たようなヒーローだと思った。ていうか、ヒストリカルでもダークヒーローが書きたくなったんですかね? この作品が好きな人には、こっちのシリーズもいいかもしれない。
(★★★☆)

最終更新日 : 2014-07-27

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