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2014 · 07 · 30 (Wed) 15:38

◆『結婚の名のもとに』ルーシー・ゴードン

◆『結婚の名のもとに』ルーシー・ゴードン(ハーレクイン文庫)
 秘書のアシスタントをしているブリオニーは、ある日、社長カーライルの娘エマと出会う。二人はたちまち仲良くなるが、カーライルから彼女の命はあとわずかということを聞かされる。娘の望むことをなんでも叶えたいと思うカーライルから、結婚してエマの母親になってほしいと言われる。だがブリオニーには、幼い妹を亡くしたつらい記憶があった。("For The Love Of Emma" by Lucy Gordon, 1996)

 小さな病気の女の子が出てくると、弱い(つД`)……。
 けっこう後半にならないと死亡フラグが折られなくて、ちょっとドキドキしました。
 娘に気に入られたヒロインと契約結婚をするヒーロー。ヒロインは同じくらいの妹をつい最近亡くしており、「もう一度あの悲しみを味わうのはつらい」と思い、いったんは断りますが、娘もいい子だし、ヒーローのことも気の毒だしで、結局は結婚してしまう。
 ヒーローは「娘は何も知らない」と思っているのですが、実は何もかも承知している。自分が死んだあと父親が淋しくないように、奥さんを世話したとしか思えない(´・ω・`)。自分のわがままが通るとわかった上で、二人を強引にくっつける気まんまん。
 娘が具合が悪いうちはそれなりに(表面上は)楽しく暮らすんだけど、死亡フラグがなくなるととたんにぎくしゃくしてしまう。
 ヒーローもヒロインも、なんだか頑固で遠慮がち。一貫した筋を通す態度も、無理やり問いただすこともないところは、ちゃんとした大人だからこその欠点と言える。まあ、気持ちはわかるんだけどね(´ω`;)。
 二人をじっと観察してきた娘に説得されて、やっとヒーローがヒロインを迎えに行く。
 その時の説得方法が、子供特有のある存在に対する認識の仕方なのが、とてもよかった。子供はみんなああなんだろうか……。私は持っているものが少なかったので、個別にしか認識していなかったような気がする……。
 ルーシー・ゴードンも子供書くのがけっこううまいよねえ。
(★★★★)

最終更新日 : 2014-07-31

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