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2014 · 09 · 18 (Thu) 14:00

●『あなたに出逢うまで』ジュディス・マクノート

●『あなたに出逢うまで』ジュディス・マクノート(二見文庫)
 霧がたちこめるある晩、名高い貴族である伯爵スティーヴンは車道に突然飛び出してきた男性を轢いてしまう。自らに過失はなかったが、その彼の婚約者が米国から来ると知り、出迎えることに。翌日、港では教師のシェリダンが途方に暮れていた。付き添っていた令嬢が船中で知り合った男性と駆け落ちしたのだ。そこへシェリダンを令嬢と誤解した伯爵が“婚約者”の死を知らせるが、その直後シェリダンの頭上に積荷が──。三日後、彼女は伯爵の屋敷で意識を取り戻すも、すべての記憶を失っていて!? ("Until You" by Judith McNaught, 1994)

 面白かったけど、いろいろ気になることが多かった……。
 一つは、あらすじ(珍しく裏表紙のを転載してある)を読んで「面白そう!」と図書館で借りたら、シリーズものの最後だった(´・ω・`)。なるべく順番どおりに読みたい、というか、そう努める方なので、少し落胆。前の作品の登場人物もたくさん出ていたみたいだしね。わからなくても問題ないですけど。いつもなら、あとがきで確かめるのに忘れてしまった……。
 他にもあるけど、とりあえずまとめて集約するとヒーローですよ。なんだかムカつく男でねえ(-ω-;)。お話のめんどくささが、彼をよりめんどくさくしている。
 意識を戻したヒロインに、ヒーローは「君の婚約者(本当は違うけど)は死んでしまった」と言えず、あげくに彼女が彼を婚約者だと思い込んでも否定できず、という状況に陥る。
 医師からの助言があったとはいえ、ここの嘘って必要だったのかな、と考えてしまう。結局、

「自分が婚約者を死なせてしまったことを、彼女に知られたくなかったから」

 ってだけなんじゃね? と思ったんだけど(´д`;)。理由は、「嫌われたくないから」
 医師にしても周りの人間にしても、「二人が惹かれ合ってるみたいだから、くっつけちゃおう!」と盛り上がっていて、善意からなのはわかってるけど、そういうのって余計なお世話だよなあ、と。
 そういうのがなければ、ヒロインが記憶を取り戻してすぐ、ヒーローではなく「事情を一番話してくれそうな人」なところに駆け込むという事態も避けられたはず。
 初っ端は最低限の嘘──「婚約者は今は君のところへ来れない」みたいなのだけでよかったんじゃない? それでも充分物語になったと思うのに、どうして嘘に嘘を重ねるしかない、こんなややこしい話にしたのか。彼だって気の毒な状況なのに。
 作者の意図だとしても、なんかこう、ヒーローが浅はかに見えちゃうのよね……。お貴族さま的な発想で「自分の思うとおりになる」みたいにしか考えてないというか……思いどおりにならない(思い込みですけど)と怒ってすねるとか、了見狭いよな(´-ω-`)、と思ったり……。
 設定だけ見ればラブコメなんだから、どうせややこしくするならそれを生かしてほしかったのよねー。
 ここまでずっとけなしてますけど、面白いってのも確かで、それがまた困る(-_-;)。
 ちょっとモヤモヤが残る作品でした。
(★★★☆)

最終更新日 : 2014-09-18

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