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2014 · 09 · 29 (Mon) 16:26

●『ペイシェンス 愛の服従』リサ・ヴァルデス

●『ペイシェンス 愛の服従』リサ・ヴァルデス(二見文庫)
 伯爵の息子であることが偽りだと知られ、名誉が失墜したマシュー。彼は、自分を捨てた婚約者とその父親に憎悪を燃やし、復讐を誓う。そんな彼に心惹かれながら、過去の傷から愛を避けようとする牧師の娘ペイシェンスは、マシューから自分の隠れた欲望を指摘され、その関係に溺れていく。("Patience" by Lisa Valdez, 2010)

 傑作『パッション』の続編。パッションの妹ペイシェンスのお話です。
 本国の方でも「いつ出るのか」と話題になっておりましたが、いざ出たとなると「なんか違う(´ω`;)……」と言われたりなんだりで、「とにかく読んでみなくちゃわからん(゚Д゚)ゴルァ!!」という気分だった『ペイシェンス』。
 やっと読めた。そのことには感謝しております。
 しかし、内容的には前作以上に賛否両論必至。SMなんでね……。まあでも、ソフトなものです。ヒーローがヒロインを多少縛ったり、お尻叩くくらい。基本言葉責めで、初期の調教という感じ。
 けど、私的にはSMにはまったく興味がないんで、HOTシーンは飛ばし読みしました。
 そしたら、半分くらい(いやそれ以上?)読まない部分になっちゃった(´д`;)。
 私、昔Sの人と友だちだったことあるんですけど、その人に「全然そういう気質ない」と言われている。で、その人に言わせると、そういうケのある人って、わかるそう。SならMがわかるし、MならSがわかる(正しい情報かどうかは定かではない)。
 ただ、相手が愛する人であるとは限らない。プレイの相手としては最高でも、家族になれるかどうかは別なので、必然的に二重生活になる。ていうか、性的嗜好はなかなかあきらめられないということなのか……。
 そういう点で、このヒーローヒロインはある意味、究極のハッピーエンドと言えます。人に迷惑がかからないパートナー同士が嗜好の一致を楽しんでいるなら、外野がとやかく言うべきことではない。
 ただ、SMってどうしても「外野」からしか見られないのよね(´ω`;)。感情移入がしにくいのです。
 そして、私のように思う人が引き込まれるような作りにはなっていない気がしました。
 が、『パッション』だってそういう部分があった。それでも切ないロマンスがこれでもかと描かれている後半がそれを凌駕したわけです。
 ヒーローの部分はいいんじゃないかと思う。凄まじい復讐心に囚われている壊れかけの男が、ヒロインとの関係にすがっていく。元婚約者の父親がまた不気味で、同じくらい狂っている印象があります。この二人の描写がけっこう執拗だったので、ラスト、ヒーローの憑き物の落ちた様子が生きてました。
 問題はヒロインと、ストーリー運び。ヒロインの傷はむしろ不必要だったんじゃないか、と思うのです。いや、失恋や母を失った淋しさはあってももちろんいいんですが、自分のM要素の発見に苦悩する方が、ヒーローとの対比バランスとしてはちょうどよかったんじゃないかなあ。二人とも、いろいろな意味で解放されて、お互いに服従する。SとMの関係って、本質的にはMの方が上らしいですしね。
 ストーリー運びも、アホな元婚約者や密偵として雇った少年をもっと巧みに使えば、緊迫感が出たと思う。長けりゃいいってもんでもないと思うんだけどなあ。欧米の小説って長くしたがる傾向があるのかしら。いらないところをもっと削れと言う編集者はいないのか!? ページ数稼ぐより、小説としての完成度の方が上でしょ!?
 評価は──いろいろ迷いましたけど、やはり飛ばし読みしているので、オマケもつけづらいです(´・ω・`)。SMに興味のある人から見るとどう思うかに興味ある。しかし、続き出たら買うし、読むからね!
(★★☆)
[Tag] * ヒストリカル * 二見文庫 * ★★☆

最終更新日 : 2014-09-29

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