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2014 · 10 · 10 (Fri) 13:12

▼『夜明けを信じて』リサ・マリー・ライス

▼『夜明けを信じて』リサ・マリー・ライス(扶桑社ロマンス)
 古文書学者のルーシーは、CIA職員だった両親と一緒に少女時代をヒマラヤ山地にあるヌハラ王国で過ごした。両親をそこで失い、王女を親友に持つ彼女は、ヌハラを乗っ取ろうとする将軍の世界的バイオテロの計画を知り、それを阻止する作戦に参加する。そのためには、陸軍山岳部隊のエリート大尉マイク・シェーファーと婚約者のふりをしなければならなかった。("Darkness At Dawn" by Lisa Marie Rice, 2011)

 いつものリサマリの作品とは雰囲気が違います。
 それは、いつものはヒーローの方が機能不全家庭で育ったとか大きなトラウマがあるとかの問題を抱えている方なんだけど、今回は至って健全。それより、CIAのスパイだった両親に連れられ、世界中を放浪して危険をくぐり抜け、7歳にして飛行機墜落事故とジャングルでの逃亡生活、そして14歳で両親が殺されるのを目のあたりにしたヒロインの方がトラウマを抱えている。
 でも、単に男女を逆転しただけではなく、ヒロインらしい克服への努力というものが描かれていて、裏表の強さと脆さがある。この人を女性一般と言ってもいいのか迷うところだけど、きちんと男性とは違う描かれ方をしているな、と感じました。
 反面、ヒーローはトラウマがあってもなくても、あんまり変わらない気が(´ω`;)。結局、変な妄想で頭がいっぱいになるのがリサマリのヒーローということでしょうかね。
 まあ、今までのお嬢様っぽいヒロインだって、自分のやるべきことはわきまえて冷静に対処する人だとは思うので、本質的には変わらないのかもしれないね>ヒーローヒロイン
 お話はシンプルで、ヌハラの山中で死んだCIA工作員が持っていたUSBメモリを探しだし、バイオテロのサンプルを持って帰るため、キチ入ってる将軍がほぼ掌握している王国に二人きりで潜入する、というもの。
 展開が速くて楽しめたんだけど、後半にいろいろと気になるところが出てきた。けっこうたくさんヒロインの死亡フラグが立っていたんだけど、その緊張感が持続しなかったところが惜しかった。テロリストへの攻撃も、「えっ、それでいいの!? もっと慎重にしなくちゃダメなんじゃ!(;゚д゚)」と思ってしまった。説明ほしかったな……。
 あと、「婚約者のふりをする」という割とハーレなんかで定番の設定が後半に切なさを生むか!?((o(´∀`)o))ワクワク と思ったけど、そういう葛藤はリサマリの、特にヒーローにはないのであった。それはそれでいいけどね。
(★★★☆)

最終更新日 : 2014-10-10

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