2015 · 01 · 02 (Fri) 18:44 ✎
▲『時のかなたの恋人』ジュード・デヴロー(新潮文庫)
恋人とその娘とイギリス旅行中のダグレスは、立ち寄った教会で彼らに置き去りにされ、古い墓の前で一人泣いていた。そこへどこからともなく現れたのは、輝く鎧に身を包んだニコラスという男。彼は、古い墓に葬られている16世紀の伯爵で、しかも無実の罪で処刑されそうだと言う。最初は信じなかったダグレスだが、次第に彼を裏切った者を探す手助けをすることになる。("A Knight In Shining Armor" by Jude Deveraux, 1989)
あけましておめでとうございます。
今年もマイペースに更新していきます。どうかよろしくお願いいたします。
恋人とその娘とイギリス旅行中のダグレスは、立ち寄った教会で彼らに置き去りにされ、古い墓の前で一人泣いていた。そこへどこからともなく現れたのは、輝く鎧に身を包んだニコラスという男。彼は、古い墓に葬られている16世紀の伯爵で、しかも無実の罪で処刑されそうだと言う。最初は信じなかったダグレスだが、次第に彼を裏切った者を探す手助けをすることになる。("A Knight In Shining Armor" by Jude Deveraux, 1989)
あけましておめでとうございます。
今年もマイペースに更新していきます。どうかよろしくお願いいたします。
さて、今年の初ロマンスは、以前から「面白い」と聞いていたジュード・デヴローのタイムスリップものです。
評判どおり、面白かった! 特にヒロインがすごくいいです。
彼女はとても人がよくて、優しすぎる。その上、裕福で立派な家族の中の味噌っかすで、その劣等感もダメンズにひっかかりやすい性格を後押ししている。最初の方に出てくる恋人とその娘の胸糞悪さったらないですよ! 「なんでこいつらの悪どさがわからないんだー(゚Д゚)ゴルァ!!」とヒロインに説教したいくらいだった。
でも読み進めていくと、単にだまされやすいだけの人ではなく、本当に純粋に人のためになりたいと望んでいて、傷ついても人を信じることをあきらめない女性だとわかってくる。
あと、欧米のロマンスのヒロインは、基本的にあまり泣かないよね。ヒーローの前だと特に。必死に涙をこらえる姿が定番です。でもこの作品のヒロインは、我慢しない。すぐ泣く。とりあえず泣く。延々と泣く。とにかくめちゃくちゃ泣き虫です。
彼女が泣くと、16世紀からタイムスリップしてきたヒーローが遠くにいてもその涙を感じ取り、彼女を探しだして泣きやむように何くれと世話するところがすごくよかった。萌えたわ~(´Д`*)。400年の時を隔てても、二人にはある種のテレパシーのようなものがあり、互いに感じていることが伝わるのです。同じ時代にいれば、みたいだけど。 違った。最初はこれで400年を超えてくるのです。
みたい 泣いたら来るのか? そういうこと? ……うん……そんな感じで、割と細かいところは適当な気がする(´ω`;)。結局、なぜタイムスリップできて、なんで元の時間に戻るのか、というのはよくわからないような……。よくわからないというか、一応説明はあるのですが、そこら辺が理屈としてそう厳密でもない。雰囲気で書いてる ゲフンゲフン。
けど、タイムスリップものはどうやっても矛盾を解消することはできないので、そこがどう処理してあって、読む方がどう目をつぶるか、というところが面白さのポイントになる。だいたい理屈で説明できたら、タイムスリップ自体、現実にできるかもしれないんだしね(´・ω・`)。
あ、読み終わってから矛盾をいろいろ感じるのは、ある意味正しいので、気になりません。読んでいる最中はとても楽しめたので、私はこの作品、大好きです!
ただ、ロマ本読みの人から見て、この作品の好き嫌いが分かれそうなところって、実はラストなんじゃないの?
ヒーローが現代に来て、元の世界に戻って、ヒロインが16世紀へ行って──とくり返し、「この二人がどう結ばれるのか」と煽りに煽って、「本人とは結ばれない」(一応反転しとくか)という……。
フィクションとしては非常に定番のラストではあるんだけど、一種の悲恋(と訳者さんがあとがきで言っていた)とも取れる幕切れではある。私はこういうラストでも、全然大丈夫ですけど。むしろ萌える。
ところで訳者あとがきに、この作品は「モンゴメリー族を扱ったシリーズのひとつ」と書かれていたのだが、もう一冊持っているジュード・デヴローのヒストリカルにも「モンゴメリー」という名字のヒーローが出てくるんだよね。これもシリーズの一つなのかな?
(★★★★☆)
評判どおり、面白かった! 特にヒロインがすごくいいです。
彼女はとても人がよくて、優しすぎる。その上、裕福で立派な家族の中の味噌っかすで、その劣等感もダメンズにひっかかりやすい性格を後押ししている。最初の方に出てくる恋人とその娘の胸糞悪さったらないですよ! 「なんでこいつらの悪どさがわからないんだー(゚Д゚)ゴルァ!!」とヒロインに説教したいくらいだった。
でも読み進めていくと、単にだまされやすいだけの人ではなく、本当に純粋に人のためになりたいと望んでいて、傷ついても人を信じることをあきらめない女性だとわかってくる。
あと、欧米のロマンスのヒロインは、基本的にあまり泣かないよね。ヒーローの前だと特に。必死に涙をこらえる姿が定番です。でもこの作品のヒロインは、我慢しない。すぐ泣く。とりあえず泣く。延々と泣く。とにかくめちゃくちゃ泣き虫です。
彼女が泣くと、16世紀からタイムスリップしてきたヒーローが遠くにいてもその涙を感じ取り、彼女を探しだして泣きやむように何くれと世話するところがすごくよかった。萌えたわ~(´Д`*)。400年の時を隔てても、二人にはある種のテレパシーのようなものがあり、互いに感じていることが伝わるのです。
けど、タイムスリップものはどうやっても矛盾を解消することはできないので、そこがどう処理してあって、読む方がどう目をつぶるか、というところが面白さのポイントになる。だいたい理屈で説明できたら、タイムスリップ自体、現実にできるかもしれないんだしね(´・ω・`)。
あ、読み終わってから矛盾をいろいろ感じるのは、ある意味正しいので、気になりません。読んでいる最中はとても楽しめたので、私はこの作品、大好きです!
ただ、ロマ本読みの人から見て、この作品の好き嫌いが分かれそうなところって、実はラストなんじゃないの?
ヒーローが現代に来て、元の世界に戻って、ヒロインが16世紀へ行って──とくり返し、「この二人がどう結ばれるのか」と煽りに煽って、「本人とは結ばれない」(一応反転しとくか)という……。
フィクションとしては非常に定番のラストではあるんだけど、一種の悲恋(と訳者さんがあとがきで言っていた)とも取れる幕切れではある。私はこういうラストでも、全然大丈夫ですけど。むしろ萌える。
ところで訳者あとがきに、この作品は「モンゴメリー族を扱ったシリーズのひとつ」と書かれていたのだが、もう一冊持っているジュード・デヴローのヒストリカルにも「モンゴメリー」という名字のヒーローが出てくるんだよね。これもシリーズの一つなのかな?
(★★★★☆)
最終更新日 : 2015-01-04