Top Page › 映画の感想 › 旧作の感想 › ■『きみに読む物語』

2015 · 01 · 06 (Tue) 10:00

■『きみに読む物語』

『きみに読む物語』"The Notebook" 2004(AIV)
 美しい湖のほとりの療養施設で過ごす認知症の老女。彼女の元には、毎日同じ施設にいる老人が訪ねてきて、ある物語を読む。それは1940年のこと──南部の町シーブルックで、木材所に勤めるノアは、別荘にやってきた令嬢アリーと出逢う。激しい恋に落ちた二人だったが、アリーの両親はそれを許さない。引き離されて、アリーはニューヨークの大学へ進み、ノアは毎日彼女へ手紙を書くが、返事はなかった。やがて、第二次世界大戦が始まる──。(監督:ニック・カサヴェテス 出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェイムズ・ガーナー、サム・シェパード他)

 2本続けて見て、なぜかごっちゃになった作品の最初の1本ですが、よく考えてみたら、「夫婦のことを描いた映画」という大きな共通点がありました。
 こちらは、とても理想的というか、「こういうふうに愛する人と添い遂げられたら幸せだろうね」という物語。
 アルツハイマー型認知症を患っている女性に物語を読み聞かせる男性──この二人は実は夫婦で、二人の若い頃のことを読んであげているのです。最後まで読むと、彼女が自分の元へ戻ってくる、と彼は信じている。
 彼らの若い頃の話は、とてもオーソドックスで、切ない恋物語です。アリーの両親は、当然家とつりあいの取れる結婚を望んでいる。しかしノアの家は貧しく、教養もない。特に母親は激しく反対するわけです。なぜか? というのは後半わかるのですが、それがまた切ない。後悔というわけではないけれど、思い出として昇華するほど割り切れない気持ちを抱えた母親とのシーンは、ほろ苦く様々なことを想像させる名シーンであると思います。
 ちょっと話がズレるけど、この母親役のジョアン・アレンとジーナ・ローランズの顔がよく似ていた。若いアリー役の人とはあまり似てなくても、間に母親役の人を立てるのはいいキャスティングだと思いました。監督のニック・カサヴェテスはジーナ・ローランズとジョン・カサヴェテスの息子なんだけれども、父親が生きていたら、ノアの年老いた役を演ってもらっていたんだろうな、と妄想する。この夫婦もかっこよくて素敵なカップルだったそうだしね。
 若い人が見れば、アリーとノアの瑞々しい葛藤に自分たちを重ね合わせるだろうし、老夫婦と同年代なら、自分の人生と愛した人を省みたりするかもしれない。そして私のようなその中間──いわゆる「初老」という年代は、若い頃の幸せと年老いてからの幸せの違いってなんだろう、と考えてみたり──と、どの世代の人が見ても深い感慨を呼ぶのではと思います。
(★★★★)
[Tag] * ★★★★ * ロマンス映画

最終更新日 : 2015-01-07

Comments







非公開コメント