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2015 · 01 · 15 (Thu) 10:01

◆『忘れえぬ人』ルーシー・ゴードン

◆『忘れえぬ人』ルーシー・ゴードン(ハーレクインSP文庫)
 ルーク・ハーモンは実業界で成功をおさめているが、痛々しい傷が刻まれた顔の裏では、激しい復讐の炎が燃えていた。この傷は、彼がジョン・バクスターと名乗っていた若い頃、激しい恋に落ちたイヴと、彼女の卑劣ないとこパリーにつけられたものだ。二人を追い詰める準備はできた。ルークはついに、イヴと10年ぶりに対面を果たすが──。("Vengeance Mine" by Lucy Gordon, 1989)

 面白かったのですが、どうもモヤる……。
 気になる点は一つ。ヒロイン、とても人を信じやすいというか、あまり疑いを持たないというか、身内に甘いというか、お嬢様育ちというか……そういう感じの人。いとこの性悪さにまったく気がついていない。ヒーローから「あいつに気をつけろ」と言われても、

「そんなこと言わないで。本当はいい子なのよ」

 とか言っちゃって、ヒーローをイラつかせます。私もイラついた。
 そのくせ、ヒロインに会って焼けぼっくいに火がつき、復讐するのをやめたヒーローが、高価な贈り物をしてくることに対して、

「彼は本当の私のことをわかっていない。私のことをトロフィーとでも思っているの?」

 と失望したりしている。
 お前が一番人を見る目ないんちゃうんかっ(#゚Д゚)!
 だって、結局いとこにだまされちゃうんだもん(´ω`;)。それに、「嘘をつかないって約束したけど、身内のことだから仕方ないよね」みたいなダブルスタンダードのごまかしがまた頭悪い。
 そうか、ヒロインが頭悪かったんだ……。その頭悪い嫁(本当に結婚した)にベタボレ故に振り回される気の毒なヒーロー……。結局、おばあちゃんが死んだのもヒロインのせいだし……。いや、いとこも彼女の祖父も悪いし、当時は子供なんですけど、「自分の言わなかったこと」で起こった出来事は自分のせいではない、と素で思っちゃうところがなあ……。
 もっと謝ってよ後悔してよ! という気分は、鬼畜傲慢ヒーローに対しての感情とそっくり。つまりこの作品は、ヒーローとヒロインがひっくり返っている話ですね(´・ω・`)。一定の確率で現れるな……。
(★★★☆)

最終更新日 : 2015-01-15

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