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●『ありのままの自分で』ジュリアン・ドナルドソン

●『ありのままの自分で』ジュリアン・ドナルドソン(マグノリアロマンス)
 1816年、イングランド。母を事故で亡くしてから、父は外国へ、双子の姉セシリーも別の親戚に預けられ、淋しい日々を送っていた17歳のマリアン。母の古い友人レディ・キャロラインの屋敷に招待されたが、その旅の途中で追い剥ぎに遭ってしまう。なんとか逃れたものの、御者が怪我してしまい、宿屋で紳士に助けを求めたが、彼はとても感じが悪かった。("Edenbrooke" by Julianne Donaldson, 2012)



 仕事が忙しくて、なかなか本が読めないので、これも時間がかかってしまった(´・ω・`)。もっと余裕がほしい……。でも、しばらくは無理……orz
 それはさておき、評判がよいので読みました。Kindleで読めるのはありがたい(ロマ本は一部を除いて新しくても古くてもなかなか電子書籍にならないよね……)。
 うーむ、でも私の好みからは少しズレていたかなあ、というのが正直なところです。けど、後半は面白かった。お話も、オーソドックスながらも気配りがあり、全体的にはよくできている、と思いました。
 とすると問題はやはりキャラ──つまり、ヒロインか。
 前から言っているとおり、私はロマンスの一人称があまり好きじゃないよね……。やっぱりヒーロー視点も読みたいじゃないですか。そしてツッコミたい。ヒロイン一人称だとそれができない。それに、語り手のヒロインが気に食わないと悲惨ですよ。
 まあ、この作品は気に食わないというほどではないのにしても、17歳という年齢にしては分別くさいというか理屈っぽいというか──優等生的な融通のきかなさが最初ありました。ちゃんと理由はあるんだけどね。姉が自分より美人で華やかで、双子(二卵性?)だからずっと比較され続けてきたから、なるべく「姉と比較されないような」生き方をしてきたという、ある意味邦題(流行に乗っかりすぎだろ、とは思いますが(^^;))ぴったりな境遇。
 そんなヒロインが、姉が狙う好条件の紳士であるヒーロー(名前はフィリップ)を好きになってしまってどうするか? というお話なわけです。
 私は自己評価低いヒロインに弱いんで、本当だったら好みど真ん中なはずなんだけどね。でも、はっきり言うと、そういう子のモノローグはウザいですよ(´ω`;)。本人が外に気持ちを出さない、周囲の態度で本当の評価がわかる、という描写があってこそ、「自己評価低めヒロイン」は生きると思うのです。一人称だとヒロインの気持ちばかりで進めないといけないし、妙な思い込みもするしで、最初の方はちょっとイライラした。
 しかし途中で(どう見ても身内の贔屓目の)姉が登場して、面白くなりました。いつヒロインがキレて、頭空っぽの姉と彼女のDQN友(ヒーローの妹ですけど(^^;))に怒鳴るかとハラハラした。(それが「ありのまま」ってことじゃないよな)
 姉たちに仲間はずれにされて悲しくなったり、「あたしはあたしで好きなことするもんっ(`;ω;´)」と意地になる心情がとてもよく描写されていました。くるくる回るよりもずっと17歳っぽい。
 HOTシーンがないのもよかった。ヒロインが若いから、最初ティーンズ向けかと思ったくらいだ。

「今日(こんにち)のロマンス小説がもう少し肉体的な欲望から離れて心洗われるラブストーリーになってほしい」

 と作者が巻末のQ&Aで言ってましたけど、私もそう思うよ。エロを目的にロマンスを読むのも全然否定しないけど(私も若い頃はそうだった)、ストーリーや小説じゃないと味わえない描写などを楽しみたい人もたくさんいるだろうからね。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル マグノリアロマンス ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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