2015 · 02 · 15 (Sun) 22:34 ✎
▼『このキスを忘れない』シャノン・マッケナ(二見文庫)
ケヴは18年前、傷だらけで保護された。わずかに残った記憶の中には、いつも彼を救う天使の姿があった。記憶を取り戻す過程の中で、エディ・パリッシュという女性の写真を見た時、彼女が自分の天使だと確信する。エディの職業はグラフィック・ノベル作家。彼女が描いた本の表紙には、ケヴそっくりのヒーローが描かれていた。("Fade To Midnight" by Shannon McKenna, 2010)
・〈マクラウド兄弟〉シリーズ第7作
ケヴは18年前、傷だらけで保護された。わずかに残った記憶の中には、いつも彼を救う天使の姿があった。記憶を取り戻す過程の中で、エディ・パリッシュという女性の写真を見た時、彼女が自分の天使だと確信する。エディの職業はグラフィック・ノベル作家。彼女が描いた本の表紙には、ケヴそっくりのヒーローが描かれていた。("Fade To Midnight" by Shannon McKenna, 2010)
・〈マクラウド兄弟〉シリーズ第7作
まず最初に思ったのは、
「『月長石』かよっ(; ゚д゚)!」
つまり、厚さですよ。ちょっとした辞書です。文庫本で約4センチ。総ページ953ページの大作です。シリーズ前作『危険な涙がかわく朝』よりも長いなんて(´Д`)!
はっきり言って重かった(自炊せず、紙の本のまま読んだ)。でも、面白かった! なんとなんと、こんなに長くても無駄がなかったですよ!
やはりそれは、待望のあの人──シリーズが始まった時は死んだはずだったマクラウド家の双子の片割れ、ケヴィンの話だからですかね。
「ケヴィンの話なのか! じゃあ読みたい! でも、シリーズの最初の方しか読んでない!」
と言う人は、とりあえず双子の兄ショーンの話『真夜中を過ぎても』だけでも読むといいです。これとつながっているんだよね、今作は。
残念なのは、私がこの『真夜中を過ぎても』がいまいち好きじゃないところ(´・ω・`)。だって、ショーンが情けない奴なんですもの……。こいつに腹を立てすぎて、話をよく憶えてなくて、今作を読み始めた時、ちょっと戸惑ってしまった。ケヴの話のプロローグとして読んでおけば、X-Cogとかオスターマンとか、誰だよなんだよみたいな状態にならずにすんだわ(´ω`;)。
それでも面白かったのは、やはりケヴィンに戻ってきてほしかったから。
彼とヒロインがともに〈安息の地(ヘヴン)〉という人体実験場にいた(時期は別)、というところから、それを巡る謎に迫っていきます。想像どおりひどい目にあっており、傷があってアメコミのヒーローみたいな外見で、というのは、ブラック・ダガー・ブラザーフッドのザディストを彷彿とさせる。そして、心情的にはリサ・マリー・ライスのヒーローみたいな素直さがあったけど、あまりにもヒロインを崇めすぎるとヒロインの重荷になる、というのが描かれているのもよかったね。
ヒロインは両親など周囲の人間によるモラハラに萎縮していて、流される傾向にあったけれども、次第に克服していく。かなり後半になるまでお嬢様気質でちょっとイライラしたけど、それよりモラハラ人間たちの描き方がえげつなかった(´Д`;)。特に父親! 話の通じなさは宇宙人レベル。「自分が正しい」と信じ込んでいる人と話をするのは、コンクリートの壁に針で穴をあけようとするくらい空しいと思うのですが、それでも「針を持ってるだけマシ」みたいな間違った期待を抱いてしまうんだよね。宇宙人の方がまだ話通じるかも、と思うくらい、描き方がうまかった。
狂人の描き方は今までキャサリン・コールターがうまいと思ってたけど、マッケナも相当いいね!d(>ω<) 悪役のタイプを微妙に書き分けていたけど、みんな超ムカつく奴だった。腹立ったけど、よかった。
シリーズはこれからも続くらしいし、それも読みたいですけど、とりあえずここまで読めて満足しています。マクラウド家はどんどん大所帯になっていく……。
ところでお話には全然関係ないんだけど、45ページを読んだ時に、ちょっとびっくりした。
「脳細胞がトップギアだぜ」
って『仮面ライダードライブ』みたいなことヒロインが言ってる(゚Д゚)!
いや、正確には「脳がトップギアに入ったような感覚」と地の文にあるんですけど、こういうのってもしかしてポピュラーな表現なのか、とはたと思った。ドライブはそれを参考にしたのかな。
でもまあ、これはヒロインの言葉だし、と思ってたんだけど、途中でパソコンオタクの男の子(と言っても既婚)マイルズが出てきたら、もうハマケンが演ってる西城究ちゃんにしか見えなくなってしまった。時折白人ぽい外見描写とか出てくると戸惑うくらい!
──いや、ほんとに関係ない話しました……すみません特撮好きで……。
(★★★★)
「『月長石』かよっ(; ゚д゚)!」
つまり、厚さですよ。ちょっとした辞書です。文庫本で約4センチ。総ページ953ページの大作です。シリーズ前作『危険な涙がかわく朝』よりも長いなんて(´Д`)!
はっきり言って重かった(自炊せず、紙の本のまま読んだ)。でも、面白かった! なんとなんと、こんなに長くても無駄がなかったですよ!
やはりそれは、待望のあの人──シリーズが始まった時は死んだはずだったマクラウド家の双子の片割れ、ケヴィンの話だからですかね。
「ケヴィンの話なのか! じゃあ読みたい! でも、シリーズの最初の方しか読んでない!」
と言う人は、とりあえず双子の兄ショーンの話『真夜中を過ぎても』だけでも読むといいです。これとつながっているんだよね、今作は。
残念なのは、私がこの『真夜中を過ぎても』がいまいち好きじゃないところ(´・ω・`)。だって、ショーンが情けない奴なんですもの……。こいつに腹を立てすぎて、話をよく憶えてなくて、今作を読み始めた時、ちょっと戸惑ってしまった。ケヴの話のプロローグとして読んでおけば、X-Cogとかオスターマンとか、誰だよなんだよみたいな状態にならずにすんだわ(´ω`;)。
それでも面白かったのは、やはりケヴィンに戻ってきてほしかったから。
彼とヒロインがともに〈安息の地(ヘヴン)〉という人体実験場にいた(時期は別)、というところから、それを巡る謎に迫っていきます。想像どおりひどい目にあっており、傷があってアメコミのヒーローみたいな外見で、というのは、ブラック・ダガー・ブラザーフッドのザディストを彷彿とさせる。そして、心情的にはリサ・マリー・ライスのヒーローみたいな素直さがあったけど、あまりにもヒロインを崇めすぎるとヒロインの重荷になる、というのが描かれているのもよかったね。
ヒロインは両親など周囲の人間によるモラハラに萎縮していて、流される傾向にあったけれども、次第に克服していく。かなり後半になるまでお嬢様気質でちょっとイライラしたけど、それよりモラハラ人間たちの描き方がえげつなかった(´Д`;)。特に父親! 話の通じなさは宇宙人レベル。「自分が正しい」と信じ込んでいる人と話をするのは、コンクリートの壁に針で穴をあけようとするくらい空しいと思うのですが、それでも「針を持ってるだけマシ」みたいな間違った期待を抱いてしまうんだよね。宇宙人の方がまだ話通じるかも、と思うくらい、描き方がうまかった。
狂人の描き方は今までキャサリン・コールターがうまいと思ってたけど、マッケナも相当いいね!d(>ω<) 悪役のタイプを微妙に書き分けていたけど、みんな超ムカつく奴だった。腹立ったけど、よかった。
シリーズはこれからも続くらしいし、それも読みたいですけど、とりあえずここまで読めて満足しています。マクラウド家はどんどん大所帯になっていく……。
ところでお話には全然関係ないんだけど、45ページを読んだ時に、ちょっとびっくりした。
「脳細胞がトップギアだぜ」
って『仮面ライダードライブ』みたいなことヒロインが言ってる(゚Д゚)!
いや、正確には「脳がトップギアに入ったような感覚」と地の文にあるんですけど、こういうのってもしかしてポピュラーな表現なのか、とはたと思った。ドライブはそれを参考にしたのかな。
でもまあ、これはヒロインの言葉だし、と思ってたんだけど、途中でパソコンオタクの男の子(と言っても既婚)マイルズが出てきたら、もうハマケンが演ってる西城究ちゃんにしか見えなくなってしまった。時折白人ぽい外見描写とか出てくると戸惑うくらい!
──いや、ほんとに関係ない話しました……すみません特撮好きで……。
(★★★★)
最終更新日 : 2015-08-02