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2009 · 05 · 02 (Sat) 09:44

●『忘れじの君』フランセスカ・ショー

●『忘れじの君』フランセスカ・ショー(ハーレクイン文庫)
 見知らぬ納屋で目を覚ました時、自分の名前や素性を忘れていた彼女は、その時隣で眠っていた軍人ジャーベイから「キャロ」という名を与えられる。娼婦のようなドレスと化粧から、ジャーベイは彼女を愛人にしたがるような素振りを見せるが、自分がわからないキャロは街へ飛び出した。("A Compromised Lady" by Francesca Shaw,1995)

 じれじれなすれ違いものは、好物ではあるんですが、これはちょっと甘さと切なさが足りないような──ってそれが足りないすれ違いものって、醍醐味があるんだろうか……(´∀`;)。
 ヒーロー視点が少ないっていうか、ほとんどないのが原因かなあ。読者に互いの気持ちがわかっていながら、「そこでそう誤解するかよ!」「あーあ、そんなこと言っちゃって!」というようにやきもきさせるのが常套手段でしょ? まあ、ヒーローの気持ちは丸わかりではあるんだけど、やっぱり読みたいし……。
 それから、ヒストリカルではどうしても出てくる“紳士淑女の名誉”の問題。あるいは、娼婦に対する差別。名誉については、面白い使いようもあるのでまあいいんだけど(今回の場合はコンテンポラリーでいうところの“しょーもないプライド”と扱いがほぼ同じで、あまり面白みがなかったけど)、娼婦への差別、偏見は不快感にもなるんだよねえ。時代的に仕方ないし、あまりにも理解があるとヒストリカルとして意味がなくなることもあるから、難しいんだけど、ちょっとこの作品では気になったなあ。
(★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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