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▲『きみがぼくを見つけた日』オードリー・ニッフェネガー

▲『きみがぼくを見つけた日』オードリー・ニッフェネガー(ランダムハウス講談社)
 20歳のクレアは、シカゴの図書館で司書をしているヘンリーと出会う。彼は28歳で、クレアのことを知らなかったが、彼女は6歳の頃から彼を知っていた。ヘンリーは自分の意志に関係なくタイムトラベルをしてしまう人間で、しかも彼女の未来の夫だった。("The Time Traveler's Wife" by Audrey Niffenegger, 2003)



 一応ロマンスにしておきますけど、ハッピーエンドではないよね……。
 だって、ヘンリーが死ぬまで描いているし──しかも若くしての死だし。悲劇的な死だけど、予測がつくというか、ここまで長生きできたのも奇跡というか。
 ヘンリーは非常にやっかいな病気を持っているのと同じなんだよね。本の中でも「タイムトラベルの原因は、そういう遺伝子を持っているから」という結論に一応なっている。主にストレスが原因で、自分の意志に関係なく時間や距離を飛び越え、裸で放り出されてしまう。幼い頃からそんな生活をしているから、事故に遭ったり変な人につかまったりしてあっけなく死んでしまう可能性もあったのに、なんとか43歳まで生きて、愛する人と結婚して子供も持てた、というのは、ある意味ハッピーエンドなのかもしれない。
 でも、妻であるクレアからしたら、切ない話ではある(´・ω・`)。いつも「無事に帰ってくるのか」と気を揉んで待っていなくちゃならないし、しかも娘に遺伝もしてるし! 彼女が「どうしても」と望んだ子供だし、父親と違って自分の意志でタイムトラベルできることもあるみたいだけど、裸で放り出されるのは変わりないんだから、父親よりも危険なことは間違いない。
 けど、人生というのはそういうものです。ハプニングがいつもハッピーなこと、あるいは後腐れないものとは限らない。平穏に暮らしたいと思ってもそれを許されない人もいるし、それに慣れていけるのも人間です。
 何に困るのか、という選択は、この夫婦はできたんだしなあ、と思ったりもする。タイムトラベラーの夫というのは特殊な事例だとしても、子供の問題はどんな夫婦にもありえることだし、なんだかんだ言いつつ、濃密な時間をこの二人は過ごせたと言える。
 それもこれも、お金には困らなかったからです(´ω`;)。タイムトラベラーとしての特権を、多少利用して。「タイムトラベル」という大きなストレスは断ちがたいわけだから、それ以外のストレスは上手に回避しようよ、というわけですね。
 そう考えると、割と普通の人生を、ヘンリーにしてもクレアにしても送ったのかもしれない。夫婦として愛し愛されながら幸せに生きる、という姿を見て、周囲の人も友だちとして支えてくれたのだと思うしね。

 いろいろと考えさせられる物語でした。(少しかけ離れたことも考えた。それはあとで別記事にするかも)
 でも、すごく読むのに時間かかったんだよね……。複雑な物語な上に分量が多いというのもあるけど、訳者あとがきを読むと作者初めての小説らしいし、元々エンタメ系の人でもないのね。SF的なワクワク感や構成でぐいぐい引っ張る、みたいなところは少し足りない気もします。
「面白いか」と問われれば「面白い」とは言えるんだけど、エンタメ的な面白さとはちょっと違う、としか言いようがないなあ。
 あ、一番気になったのは、二人の娘がどうなったのかわからなかったってところかもしれない。ちょっとそこに不安な後味が残った。エンタメ系の物語だと、そういうところを書かなくても「こうなっているんだろうなあ」と自然に想像できる要素があるんだな、とちょっと思った。
 映画の出来はどうなんだろうね。少し気になります。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : パラノーマル ランダムハウス講談社 ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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