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▲『情熱の炎に抱かれて』J・R・ウォード

▲『情熱の炎に抱かれて』J・R・ウォード(二見文庫)
〈黒き剣兄弟団(ブラック・ダガー・ブラザーフッド)〉の戦士ヴィシャスは、〈書の聖母〉の告白と、自分に運命づけられた役目を知り、衝撃を受ける。直後、レッサーとの戦いの中で銃撃を受け、人間の外科医ジェインに命を救われる。ヴィシャスはジェインにきずなを感じ、病院を抜け出す時に彼女を誘拐する。("Lover Unbound" by J. R. Ward, 2007)
・〈黒き剣兄弟団(ブラック・ダガー・ブラザーフッド)〉シリーズ第5作



 前作『闇を照らす恋人』のことを私、「ブリッジ?」と言いましたけど、そのとおりだったようです。今作から邦題のつけ方が変わったのも意図的かもね。第二章の始まり、というような内容でした。
 そのせいかどうか、読んでて思ったのは、

「これは、ロマンスでもパラノーマルでもなく、ホームドラマだ!(゚Д゚)」

 ──あるいは『ダウントン・アビー』みたいな群像劇。多分、こっちの方が正解。大河小説とかサーガとかいうべきかしら?
 でもなんだか「ホームドラマっぽい」ってつい思ってしまった。アメリカのロマンスにもよく現れるけど、

「家族の中の繊細なお人好しが、いい人なんだけど無神経な人に翻弄される」

 というお話にデジャヴを感じたよ。無神経というか、「幸せすぎて周りが見えない人」かな? かわいそうに、ヴィシャスとフュアリーがこの攻撃にさらされます。でも、家族だから文句も言えないし、黙ってじっと耐えていても相手は気づかない。
 ホームドラマの典型的なストレスだよねー(´ω`;)。
 しかもこの場合の「ホーム」は「兄弟団」のことですけど、もう一つ「ホーム」も出てくる。〈書の聖母〉さんちですよ。こっちのゴタゴタも、割と人間くさい。〈戦士〉としての血統だけで旦那を選んだら、こいつが偉いDV野郎で、母に置いていかれた息子を虐待しつくす。秘密をようやく告白しても、

「どの面下げて母親だ(゚Д゚)ゴルァ!!」

 と息子に言われて反論もできない、という……。
 物語の世界が、どんどん広がっているよね。ジョンもついに遷移したし。
 つまり、次第にロマンスの占める割合が減っているというか──いや、私はあまり不満はないんですけどね。それぞれのエピソードにぐいぐい引っ張る力もあるし。
 でも、〈書の聖母〉さんが心配する気持ちもわかる。前に某ハーレのロマサスシリーズが「ヒーローがどんどん結婚退職していく」と言われていて笑ったことがあるんだけど、そういう心配を彼女はしているわけです。今現在の戦士はちゃんと働いてくれるけど、圧倒的な人材不足に近い将来陥ることは目に見えている。だって、奥さんがヴァンパイアじゃない人が多いからさ(´・ω・`)。新人がなかなか育たないどころか、生まれないのです。
 それをどうにか打開しないといかん、と思っての行動に彼女は出るわけです。各方面からの反発があると知りながら。社長 書の聖母も大変だよね。
 ヴィシャスとジェインのロマンスに関しては、かなり力技の解決法であった。「あまりにも強引じゃね?(゚д゚)」と思ってたら、ラストでジョンが、

「あんなの、フェアじゃない(´・ω・`)」

 って代弁してくれた(口に出してないけど)。そのあとのザディストのセリフも含めて読者に対するエクスキューズを感じたね。ただ、今後の展開に期待を持てるようにしてあったのはさすが。
 そういう細かいところが、気になるってほどではないんだけどひっかかって、面白いんだけどどうしても「でも──」と続けたくなりそうなので、評価は少し厳しくしてみた(´・ω・`)。もちろん続きは読みたいですけど!
(★★★☆)
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genre : 小説・文学

tag : パラノーマル 二見文庫 ★★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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