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2015 · 05 · 23 (Sat) 16:16

□『チャッピー』

『チャッピー』"Chappie" 2015(5/23公開)
 近未来のヨハネスブルグ。増加する凶悪犯罪のために、AIを搭載した警察用ロボットが開発され、目覚ましい成果を上げる。その開発者ディオンは、もっと高度なAIの開発に成功したが、社長から試作が許可されなかった。あきらめられないディオンは、廃棄処分のロボットを密かに持ち帰る途中で、ギャンググループに誘拐されてしまう。AIをインストールされたロボットにギャンググループの女の子ヨーランディが「チャッピー」と名づけ、赤ん坊のような“彼”の面倒を見る。一方、別の戦闘用ロボットを開発している同僚ムーアは、ディオンがインストール用のキーを持ち帰ったことに気づき、彼のあとをつけ、チャッピーの存在を知る。(監督:ニール・ブロムガンプ 出演:シャールト・コプリー、ヒュー・ジャックマン、デーヴ・パテール、シガーニー・ウィーヴァー、他)

 なんだかんだ言いながら、ニール・ブロムガンプの映画は全部見ている私。
 今回、前二作のようなストーリー展開からは離れましたが、再びヨハネスブルグの世紀末的な閉塞感を活かした物語作りをしています。
 チャッピーがまだ子供程度の知能がない状態で、ギャンググループの男たちに別のゴロツキのアジトに放置されて、リンチさながらな扱いを受けるシーンは心が痛い。まんまDQNな親に育てられている子供みたいだったから。
 でも、すぐに知能は普通の人間を凌駕するのよね……。作ってくれたディオンも抜かしてしまうくらい。でも、心は子供のまま。
 警察ロボットものですから『ロボコップ』を彷彿させるのは当然ですが(ムーアのロボット“ムース”も!)、私は『ショート・サーキット』や『ウォーリー』、そして『アルジャーノンに花束を』を思い出した。廃棄寸前だったから、バッテリーも交換できず、このまま彼は消える運命なのです。それを知って、ショックを受けるチャッピー。
 けど、以降の展開で、私の大好きなリチャード・マシスンばりの立ち位置の転換を図る。それは、『第9地区』にも通じていたんだなあ、と思ったよ。
 まあ、それにしてもDQNな映画であった……。DQNしか出てこなかった(´ω`;)。いい人、いなかったなー。もちろんヒュー・ジャックマンもですよ。外道な悪役を楽しそうに演ってました。
 ヨーランディ役の女の子は、野沢直子にそっくりだったなあ。白い野沢直子だった。

 ところで公開前、年齢レートを下げるため後半の一部をカットして、それが監督に無断だったんじゃないか、という騒ぎがありました(→Wiki)。公開日なのに、ちょっと人の入りが微妙だったのは、そういう騒ぎに失望した映画ファンの盛り下がった空気が伝わったせいじゃないですかね。
 映画ファン以外の人を呼び込もうとして、ポスターのデザインやコピーをいろいろいじくるのはまあ、しょうがないと思う。そしてそれに対して、「映画ファンはそれでも見に来るから」と言い放つのも、確かにそのとおりだから、これまたしょうがない。
 でも、レート下げるためにオリジナルをカットするのってどうなの? と思うのです。
 いや、この映画はおそらく数秒のカットであり、それで映画の内容が変わるということはないでしょう。でも、映画ファンからすれば「そういう無神経な人の手が入ったもの」みたいに思えちゃうんだよね。
 この映画のレートはPG12なんだけど、オリジナルはどのくらいだったんだろう。R18だったら「下げなきゃ」となるのはわかるけど、だとしてもR15で充分だろって思うのです。ストーリー的にも高校生くらいからの映画でしょ? それとも何? 『ベイマックス』(の宣伝戦略)が当たったから、ああいうのを目論んでたわけ? 親が子供連れて見に来てほしかった?
 まあ、公開は今日ですから、これからどうなるかわかりませんけどね。ていうか、私はもうとっくに公開したんだと思ってたよ(´・ω・`)。公開前に話題になった証拠だけど、吉と出るが凶と出るか。
(★★★★)
[Tag] * ★★★★

最終更新日 : 2015-05-23

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