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●『折れた翼』ジュディス・ジェイムズ

●『折れた翼』ジュディス・ジェイムズ(扶桑社ロマンス)
 伯爵未亡人のサラは、兄とともにパリに出向いた。いかがわしい娼館で対面した少年は、5年前に誘拐された弟ジェイミーだった。だが彼は、ガブリエルという男娼に守られ、虐待を免れていた。ジェイミーは、イギリスに帰るのならガブリエルを同行させてほしい、とサラと兄に頼む。("Broken Wing" by Judith James, 2008)



 なかなかきついお話でした(´・ω・`)。
 ヒーローのゲイブは、ジェイミーにとっての自分のように守ってくれる人もおらず、幼い頃から男娼として生きるしかなかった人。そこからして、もうなんか私はつらい……。
 思いがけず娼館から逃げ出せたゲイブは、イギリスでサラに癒してもらいます。サラは、かなり度量の広い人。優しいというか、優秀なセラピストだよね。お嬢様ですけど、当時の価値観に縛られていないし、それなりにひどい目にもあってる。ゲイブの比じゃないけど、補える想像力がある。
 この作品、とてもいい話なのですよ。それは認める。読む人によっては大感動だとも思う。けど、前半と後半が、各々違うきつい展開で緊張感が抜けない。切ない話は大好物なんですけど、そういう域の話じゃないのよね……。
 前半はなんでもひるむことなく受け入れてくれるサラにすべてを話し、ゲイブが自分を認められるまで。この心理カウンセリングが読んでてつらいということは、ちゃんと彼の傷を描けているということなわけです。最近、子供がひどい目にあう話が特につらくてさ……。年なのかしらね……。
 後半は、サラにふさわしい男として自分を認めたいがために出た航海で海に落ち、行方不明になり、その後かつて自分を買った男に再び囚えられてしまったことで、また壊れてしまうゲイブを描きます。帰れない、そして自分が生きていることも知らせられないという気持ちが理解できるから、読んでてつらいつらい(´;ω;`)。
 後半の彼の苦悩は、結局は彼の中の小さな少年とまだ折り合いがつかないことにも思えてねえ。サラがその調整をしてくれるとわかっているけど、「もう自分は彼女にふさわしくない」と思い込んでいるのもわかる。
 一人残されて悲しみに暮れているサラが、感じのいい男性に出会って──みたいなシーンでも、ゲイブがかわいそうで「もう読みたくない」と思ったくらいだったよ……。
 これだけ読み応えがあるのに、結局は「つらかった」という印象ばかりが残ったのは、幕切れがあっけなかったからかしらね……。現実はこんなもんかもしれない、とも感じたけど、書いてる方ももうつらくなったのではないか、と下衆の勘ぐりをしてしまったよ(´・ω・`)。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 扶桑社ロマンス ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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