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2015 · 07 · 05 (Sun) 16:32

◆『誘惑の代償』アン・メイザー

◆『誘惑の代償』アン・メイザー(ハーレクイン)
 大学講師のベスは、結婚はしたくないが子供は欲しかった。あるパーティーに身元を偽って入り込んだ彼女は、そこでアレックスという男性を誘惑する。数週間後、ベスは計画どおり妊娠したが、パーティーに潜り込むために利用した学生が事故で死亡したことを知る。葬儀に出席した彼女は、その学生の父親がアレックスであり、彼はギリシアの大富豪であることも知って──。("A Secret Rebellion" by Anne Mather, 1993)

 ずいぶん前におすすめしていただいた作品です。もうここを見られていないかもしれませんが、ありがとうございました!
 おすすめ理由が「憔悴ヒーロー」ということだったんですが──その前に設定やストーリーのドロドロさに仰天しました(´ω`;)。
 処女なのに見ず知らずの男を誘惑して妊娠しよう、と考えるヒロイン・ベス。危ない。危なすぎるだろ! 大学講師とは思えないくらいとち狂った行動です。精子バンクとかないんすか!?
 まあ「夜遊びが過ぎて」という設定にできないから、こういう無理が生じるんでしょうが(´・ω・`)。
 しかし、そのあとのドロドロは初期設定を軽く超える。ベスは、パーティーに入り込む時、そこへ「行けない」って言っていた学生の話を参考にしている。その学生というのがヒーロー・アレックスの息子トニー。トニーは自動車事故で亡くなってしまうんだけど、自殺じゃないか、あるいは麻薬をやっていたんじゃないかと言われている。しかも、家族と揉めていたとも。さらに、ベスの教え子リンダとトニーが極秘結婚していたことも判明。
 葬式でベスを見つけ、直後再会したアレックスは、策を巡らせ、リンダの付き添いとしてギリシアへベスを招く。そこで一族の長でアレックスの父であるトニーの祖父と会うんだけど、こいつがまた諸悪の根源でね(´・ω・`)。
 物語全体を若いトニーの死が覆い尽くしていました。母は葬儀に出席せず、父として関わりの薄かったアレックスはどちらかというと息子よりベスのことばかり考えている。さらに祖父の胸糞な暴君ぶりも暴かれ、すっきりとしたハッピーエンドとは言えず……。
 さらに終盤、確かにアレックスは憔悴しきっていたけど、私は祖父の仕打ちに気づかないまま息子を死に駆り立ててしまった自分を責めて憔悴しているのかと思ったのに、違った! ベスが自分の前に姿を現さないし、黙って引っ越しちゃったりした(これは彼女の当初の予定どおり)から、「振られちゃった(´;ω;`)!」と嘆いていたという……。
 とにかくトニーがかわいそうなお話でした。アン・メイザーはたまにトンデモな設定でむりやりハッピーエンドにするよな。それを妙に「もしかして、けっこうリアルかも?」と思うのは、私がロマンス脳すぎるから?(´д`;)
(★★★)

最終更新日 : 2015-07-05

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