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◆『優しすぎる花婿』ローリー・ブライト

◆『優しすぎる花婿』ローリー・ブライト(ハーレクイン)
 母と二人きりの家庭で育ったジェナにとって、隣のクロッサン家は憧れの家庭であり、大切な家族でもあった。特に次女のケイティとは親友で、彼女と双子のディーンとは将来結婚すると思っていた。だが、アメリカ留学から帰ってきたディーンは婚約者と一緒だった。ショックを受けたジェナを、クロッサン家長男のマーカスが優しくフォローしてくれるが──。("Marrying Marcus" by Lawrey Bright, 2001)



 ヒロインも含めて鈍感な家族の中、一人繊細なヒーローの受難話です。
 ヒーロー・マーカスはヒロイン・ジェナのことを密かに愛しているけど、ジェナはディーンに夢中で全然気づかない。
 でも、ジェナとディーンは別につきあっているわけではないのです。十代の時はなんとなく惹かれ合っていたのですが、ディーンがアメリカに留学する時、ジェナが、

(本当はそばにいてほしいけど)あなたのためになるから、留学した方がいいよ」

 と心を押し殺して言ってあげたら、

「そんなに留学をすすめるなんて、俺のことなんとも思ってないんだな(´Д`)!」

 と思われてしまい、一人で4年間、文字通り待ちぼうけになったという……。
 鈍感な人たちってのは、ちゃんと気持ちを確認したり、不安に思っても解消するために積極的に動いたりしないってことなの? 相手にアプローチしないとはっきりしたことはわからないのに、自分の中で納得できればそれが安心できちゃうの?
 この待ちぼうけの4年は、ジェナよりもマーカスの方が無駄な時間だったのではないのか。いや、仕事でたくさん成果あげられたみたいだから、それはそれでいいのか。
 やはりのほほんと夢見て4年過ごしていたジェナが……残念な子だよ(´・ω・`)……。
 ヒーローヒロインの誤解については、気をつかわれている方であるヒロインの鈍感さにイライラするし、ヒーローも気の毒であるんだけど、定番の展開でもあるし、その点では面白かった。けど、全体的に覆っている欧米的な家族賛歌の方が気になったなあ。
 途中、ディーンが婚約者にフラれて落ち込むんだけど、それに対してジェナとケイティがとことん世話を焼くわけです。それを見かねたマーカスが、

「かわりに問題を解決してやろうとしても、うとまれるだけだよ」

 とか言うと、

「力になりたいだけだもん(゚д゚)!」

 みたいに反論する。いや、そうなんだけどね、そうだけど……ウザいわー、とつい思ったり(´д`;)。
 こういうところも、鈍感ゆえのことなのか。でも、鈍感だからこそ、人のことをとことん思いやれるのかもしれないし、それに救われる人も絶対にいると思う(私にはできないけど(´・ω・`))。
 その両側面をよーくわかっているから、マーカスの悩みは深くなるわけです。みんないい人だし家族だから幸せに、とりわけジェナにはなってほしくて──だから、かえって困るんだよね……。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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