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2015 · 09 · 23 (Wed) 07:54

●『美女と悪魔』デボラ・ヘイル

●『美女と悪魔』デボラ・ヘイル(ハーレクイン文庫)
 両親を亡くし叔父の屋敷で暮らすアンジェラは、ある日突然“ルシファー卿”と呼ばれ恐れられているダヴェントリ男爵ルーシャスから婚約話を持ちかけられる。彼の祖父のウエランド伯爵とアンジェラは友人なのだが、伯爵はもう余命が短いと言うのだ。祖父を安心させるために、婚約をして喜ばせようということらしい。("Beauty And The Baron" by Deborah Hale, 2003)

 ヒーロー・ルーシャスのヘタレぶりにイライラするお話でした(´ω`;)。
 まあ、同情するべき点はあるんですが。彼は戦争で顔と心にひどい傷を負い、故郷に帰ってからは仮面で顔を隠し、人目を避けて夜行動(実は星を観察している)するもんだから「悪魔」と呼ばれてしまうわけです。
 ヒロインのアンジェラは、伯爵を元気づけるためにルーシャスの話に乗るのですが、当然だんだんといい雰囲気になっていく。しかしルーシャスはとても臆病になっていて、傷のついた素顔も見せられないし、彼女のことも信じられない。
 あまりにも頑ななもんで、次第に読むのが遅くなっていく(´・ω・`)。とはいえ、ただのヘタレだったらそんなにイライラはしなかったはず。一番「ひどいなー(´д`;)」と思ったのは、アンジェラに片想いしている司祭への横暴ぶりですよ。
「断られたらいいのに」と思いながら彼に「アンジェラに求愛しろ」とけしかけ、うまくいかないとほっとする。「愛の言葉なんか出てこない(´・ω・`)」と嘆く彼に代わりにラブレターを書いて、

「これお前の字で書き写して、アンジェラんとこ持ってけ。きっと惚れるから」

 何それ( ゚д゚)ポカーン 何をしたいの、ルーシャス。こじらせすぎて、自分が卑劣なことをしているのにも気づいていない。しかも、司祭は当然断るだろ、と思ったら、断らないんでやんの!
 バレた時のことを考えていないダメダメな男たち。地味にダメージでかいですよ、これ。もちろん気持ちを弄ばれて激怒したアンジェラは、思い切ってパース(温泉地)へ保養に行ってしまう。
 ここからの逆転劇を期待したのですが、盛り上がりに欠けました……。こういうラストも悪くないし、心の傷を負ったヒーローということならば、妥当なんだろうけど……それを免罪符にするのもどうなの? けっこうクズだよな、こいつ──と私はつい思ってしまったなあ。
 話自体は私好みのものであったので、ちょっと残念だった。あと少しズレると大ツボになりそうな感じもあったんだけどねえ。
(★★★)

最終更新日 : 2015-09-23

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