Top Page › 映画の感想 › 旧作の感想 › ■『スプラッシュ』

2015 · 10 · 26 (Mon) 20:29

■『スプラッシュ』

『スプラッシュ』"Splash" 1984(DVD)
 兄フレディとともに青果会社を営むアランは、コッド岬で船から落ちた8歳の頃、海の中で不思議な少女と出会う。それから二十年後──泳げないアランは再び海に落ちた。助けてくれたのは謎の美女で、すぐに姿を消してしまう。だがその後、彼女はアランを頼ってニューヨークへやってくる。(監督:ロン・ハワード 出演:トム・ハンクス、ダリル・ハンナ、ジョン・キャンディ、ユージン・レヴィ、他)

 現代の『人魚姫』決定版、と言いたい。
 原作とは「人間の男性に恋した人魚が地上へやってくる」というところ以外は違うんだけどね。ハッピーエンドだし。ただ、この映画のラストは大好き。アンデルセンの切ないラストをとても愛している私としても、これは認める。
 だってー、『人魚姫』の王子様って、なんか鈍感でひどいよね(´ω`;)。いや、もちろん彼の知らぬところで物語は進んでいくので、これは単なる八つ当たりみたいなもんなんですけどね。『人魚姫』って結局恋の物語ではなく、世界の違う人のためにすべてを捨てても、その世界にはついに届かず、というお話なんだもの。さすがアンデルセン、マゾな話だよ(´д`;)。ただ、ラストにはかすかな希望があって、そこがすごく好き。
 原作では空気な王子様が、現代ではごく普通の青年になって、ちゃんと二人は恋をする、というのがこの『スプラッシュ』ですが、人魚のマディソンはつかの間の恋だとわかってやってくる。世界が違う、ということを自覚しているのですよね。時間ないから、もう速攻アランを押し倒します。
「二人の世界が違う」と思い知ってショックを受けるのはアランの方です。人魚の研究をしている科学者コーンブルースによって彼女の正体を知ったアランは、それを兄ランディに向かって嘆く。
 ランディはいいかげんな奴ながらも弟思いで、故ジョン・キャンディが好演しています。

「マディソンに出会って、お前誰よりも幸せそうだったじゃん(゚Д゚)!」

 と兄に発破をかけられたアランは、改心したコーンブルース、そしてランディとともにマディソンを奪還しに行く。そして、海に帰るしかなくなった彼女との別れを前にして、アランは──。
 ここら辺もお話古くなっておらず、ヘタレ男子故の潔い選択となります。リタ・クーリッジの主題歌"Love Came For Me"の歌詞にまた泣かされるんだよなあ(つД`)。
 アラン役のトム・ハンクスが初々しく、マディソン役のダリル・ハンナがとにかくかわいい。公開当時も幸せな気分で見終わったけど、やっぱり今回も幸せだった。『人魚姫』の実写化は、これで充分だと思うよ。元々ディズニー系の映画だしね!

 ディズニーといえば、メイキングにあったこんな話が面白かった。
「どこのスタジオに持っていっても、全然企画が通らなかったんだ。当時、別の大作人魚映画の企画があって、大きなスタジオで大スターがキャスティングされてたんだよ。
 そこでプロデューサーがディズニーに話を持っていったら、作ってくれるってことになったんだ。でも当時のディズニーは活気がなくて、寂れたスタジオだった」
 ディズニーは『スプラッシュ』を大人向けとして作るために、タッチストーン・ピクチャーズをわざわざ作ったんだって。そして設立第一作となったこの映画が大ヒットして、そして5年後に『リトル・マーメイド』が作られ、ディズニーは復活していくわけです。二人の人魚が今日のディズニーを作った──とも言える?
 ちなみに、大作人魚映画は、結局作られなかったんだってさ。
(★★★★☆)

最終更新日 : 2015-10-26

Comments







非公開コメント