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2015 · 11 · 04 (Wed) 21:19

◆『再会のエーゲ海』アン・ハンプソン

◆『再会のエーゲ海』アン・ハンプソン(ハーレクイン文庫)
 看護師としてキプロスで働くシャニイは、18歳の時にギリシアの高名な外科医アンドレアスと結婚した。だがそれは、父の重大な過失を隠すため、脅迫されたものだった。夫の元から逃げ出し、5年──ボーイフレンドとの結婚を意識し始め、夫に離婚を申し入れようと考えるシャニイだが、ある日病院に、アンドレアスが赴任してくる。("Waves Of Fire" by Anne Hampson, 1978)

 うーむ、最近、「面白い」と評判の作品を読んでは「あれえ〜(´ω`;)」と微妙な気分になるのが多い……。なんだろう。ロマンスに対しての情熱が減ってきたのかしら!? それとも、細かいとこ気にしすぎ!?
 あるいは、単にたまたま(´・ω・`)? ──多分そうなんだとは思うけどね。そう思いたい。何しろ「自分の萌えは他人の萎え、他人の萌えは自分の萎え」ですから。
 この作品も評価の高い元サヤものですが、私はどうも乗りきれず。いくつかのひっかかりがどうしても気になって。
 ハーレにはいくつかテンプレのような表現がありますよね。たとえば「シークレットベイビーに対して、ヒーローが怒る」とか。今回、もう一つ見つけた。

「犯罪を見逃してもらう立場の人間が、逆ギレする、あるいは偉そう」

 というもの。たとえば、会社のお金を横領していた父をかばって愛人とか結婚を迫られたヒロインがヒーローに対して、
「あなたはなんて卑劣な人なの!」
 と非難したり、
「父を見逃してくれるのなら、あなたの愛人になってやってもいい」
 と言うとか(´ω`;)。(たいてい、娘のための金策だったりはするんですが)
 今回もまさにそういうパターン。ヒロイン・シャニイの父親は医者なのですが、妻(ヒロイン母)が死んでから酒浸りになり、ヒーロー・アンドレアスの患者に間違った薬を処方し、一歩間違えば死んでいたかも、という事態を引き起こす。それに激怒して「告発するから!」とアンドレアスが言いに行った時、シャニイと出会い、一目惚れして、

「告発しないかわりに、娘を嫁にもらう!」

 となったわけです。その時に、

「父の生きがいを奪うつもりか(゚Д゚)ゴルァ!!」

 みたいに言っちゃう。(でもその前に、彼女自身も「仕事をやめるべきよ、パパ」って言ってるんですけど(´ω`;))
 まあ、確かに卑劣っちゃ卑劣なんですが、誰がその原因を作ったのか、と考えるとね……父親にしてもシャニイにしても、頭が回らなすぎるだろ、と思っちゃう。特にシャニイは、はっきり言ってあまりものごとを深く考えないというかね──つまり、お子ちゃまなんだよね。告発するかわりの条件が出てきたのならば、それを最大限使って、もう少し有利な方向に交渉しようとかも考えず、メソメソしているうちに結婚しちゃうわけです。しかも父親は式直後に事故で死んじゃうという……。
 その段階で夫婦でしっかり話し合うとかもしないで、ただただ逃げちゃう。まあ、でも父の死のショックはとても大きかったのだろうし、18歳ですから。年齢的にも子供そのものだからなあ。
 けど、残念なことに5年たってもあんまり成長していないんだよね(´・ω・`)。「考えたくないことは考えない」みたいな人って、あとからしわ寄せが来ると、人のせいにするんだよ。18歳ならそれも通用するけど、もうそんなこと言ってられないだろ。
 一番気になったのは、医師と看護師として、二人で医学の礎を作ったとされるヒポクラテスの建てたアスクレペイオン(アスクレピオス)神殿を訪れて、「ヒポクラテスの誓い」に思いを馳せるシーンがあるんですが、そ、それ……シャニイの父親って、その誓いをがっつり破ってるよね? アンドレアスはその誓いを守ってきたから、父親を告発しようとしたわけだし。
 でも、彼女はそのことにひとことも触れないんだよね。

「都合よく記憶が消えてんじゃないのか(´д`;)?」

 とつい思ってしまいましたよ……。
 17歳も年下の女の子に対してのアンドレアスのやり方にも同情はできないというか、不器用すぎるし、シャニイはずーっとお子ちゃまだし、ラストもちょっと後味悪いしで、うーむ……楽しみにしていた分、非常に残念な作品でした……。
(★★☆)

最終更新日 : 2015-11-05

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