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◆『仮面の夫』キャロル・モーティマー

◆『仮面の夫』キャロル・モーティマー(ハーレクイン)
 ケリーは、5年前から別居している夫ジョーダンが、美しい女性とホテルに入っていくのを目撃する。私と同じホテルに泊まっているなんて──。父が事故に遭い、うちひしがれていたケリーは夫の言い訳を信じない。だって5年前とすっかり同じだもの。二人の仲が元に戻ることなどありえない──だが、父が5年間の記憶を失ったことで、ケリーはジョーダンと新婚当時のふりをするはめになる。("Burning Obsession" by Carole Mortimer, 1984)



 前記事『再会のエーゲ海』と設定がとても似ていて、偶然とはいえびっくりしてしまった(´Д`;)。
 この作品のヒロイン・ケリーも、18歳の時に16歳年上(『再会のエーゲ海』は17歳年上)のヒーロー・ジョーダンと結婚します。父と二人家族というところも同じ。5年間の別居も同じ。
 ただ別居のきっかけはケリーの流産で、彼女は実家に戻っただけ。流産の原因は、ジョーダンと浮気相手の会話を立ち聞きしてしまい、無理に走ったことによるもの。
 浮気はもちろん誤解なのですが、この旦那がね──別の意味でいろいろと困った人だった、というのが、のちのちわかってきます。こういうヤンデレ系は大好物な設定なんですが、あまりにもアホというか──なんか、全部こいつのせいだよね?(´ω`;) まあ、自分で自分を「性格異常者だ」と言うくらいですから、わかってるんだとは思うけど……。ヒロインをドアマット的に虐げはしないけど、変な方向にひどいので、もっと反省してほしい。しないだろうけど。
 とにかく奥さんのことが好きすぎて、おかしくなっている旦那なのです。夫婦仲がぎくしゃくし始めたのは、妊娠がわかってから。実はケリー、妊娠に耐えられるかどうか医師にも危ぶまれている母体で、かなり安静にしていないと本人も危ない。それを知ったジョーダンはケリーに説明もせずに、寝室を別々にしてしまう。手を出してしまう自分を自重するためにね。
 それをラスト近くに知って、ケリーは、

「なんで言ってくれなかったの(゚Д゚)!?」

 となる。そりゃそうだ。ていうか、なんで医師が本人に言わないのさ(`Д´)!
 でも、この間見た『震える舌』でも、娘の病気のことを父親にしか説明していなかったな……。そういう時代だったのかも(´・ω・`)。医師も「聞いてないの(゚д゚)!?」とびっくりしていたから、夫がちゃんと説明しないのが悪い。やることちゃんとやれ! 取り乱しすぎだろ(゚Д゚)ゴルァ!!
 そんな感じで、何かにつけて説明不足ゆえの墓穴を掘りまくる旦那に、ケリーは振り回される。とはいえ、彼女も子供っぽい。やはり5年たってもあまり成長していない。嫉妬深く思い込み激しく、親友と思っている女の子のドス黒さもわからず。夫婦で言い争ってばかりなので、雰囲気もギスギス。
 ラストもけっこうトンデモな展開だった。「元サヤもの」というより「破れ鍋に綴じ蓋もの」というかね──こういうヤバい旦那の手綱を、やっと握ることのできたヒロインのお話でした。なるべく旦那よりも長生きをしてください。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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