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■『ある日どこかで』

■『ある日どこかで』"Somewhere In Time" 1980(DVD)
 脚本家志望の大学生リチャードは、処女作上演後、年老いた女性から懐中時計を渡された。「帰ってきて」という言葉とともに──。それから8年後、スランプに陥ったリチャードは、車で旅に出る。行き着いたのは湖畔にあるグランドホテル。リチャードはそこの史料室で、68年前──1912年にホテルで上演された芝居の主演女優エリーズ・マッケナの写真に魅せられる。(監督:ヤノット・シュワルツ 出演:クリストファー・リーヴ、ジェーン・シーモア、クリストファー・プラマー、テレサ・ライト、他)



 公開された時は見ていないのですが、カルト的な人気を耳にし、かなり長い間「見たい!」と熱望していた映画でした。後年、やっと深夜にテレビ放映された時、ビデオに撮って何度も見たなあ。リチャード・マシスンの原作(彼自身が脚色)の翻訳も、2002年までされなかったんだよね。彼のファンだから、それも待望だったのです。
 そんなこんなで、たくさん思い入れのある映画です。まずは、あらすじの続き。
 ホテルで見つけたエリーズの写真にとりこになったリチャードは、彼女のことを調べ尽くす。そして家政婦だった女性から、自分の処女作上演の夜にエリーズが亡くなったことを知る。さらに、1912年のホテルの宿泊者名簿に、自身のサインがあるのも見つける。リチャードは、タイムスリップの経験者であり、恩師でもある大学教授に教えを請い、タイムマシンなどを用いないタイムスリップを試み、成功する。
 このタイムスリップの方法に「工エエェェ(´д`)ェェエエ工工」とか思うと、もうダメなんですよ、この映画は。

「目的の時代からある古い建物にいる状態で、自己暗示をかける」

 というやり方なんだけど、それってつまり、「気合と根性で時を超える」ってことだよね? なんかこう、プリキュア並の「信じれば、きっとかなう!」感が漂う方法です。
 とはいえ、マシンなしのタイムスリップ自体はよく描かれています。いわゆる「時空の狭間に入り込む」という奴です。「気合と根性で時を超える」って書くと「(゚д゚)」って顔になりそうですが、

「時空の狭間を人工的に作りだす」

 と書くとすごくかっこいい! だったら最初からそう書けってことですけど(´∀`;)!>あたし
 そうは言っても、基本は「エリーズに会いたい!」という情熱ありきのタイムスリップですから、成功したとなればもう、なりふりかまわず積極的に迫りまくる。この様子を見た私はつい、

「時空を超えたストーカー(´д`;)……」

 とついつぶやいてしまいました。マネージャーに怒鳴られても、エリーズ本人に微妙な顔をされてもめげない。
 そして念願かなって二人は幸せな時を過ごすことになるのですが──実はこのお話、ハッピーエンドではないのよね。あるミスに気づき、リチャードは現代に引き戻されてしまいます。そして、彼女を失った絶望から立ち直れず、生きる気力をなくし、死んでしまう。
 私、かなり長い間、ここを誤解していました。ずっと、戻ってきてすぐに「ショック死した」と思ってた(´ω`;)。まあ、ある意味そうなんですけど。あるいは「緩慢な自殺」か。
 でも、二人は死んで初めて一緒になれるわけです。生きている時代が違う二人だったんだもの。
 だから、この映画で一番悲しいシーンは、最初のところなのです。

「帰ってきて(Come back to me)」

 と年老いたエリーズが言うシーン。
 ただ、リチャード・マシスンには『奇蹟の輝き』という作品があって、それで描かれる死後の世界は、『ある日どこかで』のラストに描かれる世界と同じだという説(出典不明)があるのですよね。それが本当だとすると、二人はあのあと、別の世界でずっと幸せに暮らすはずなのですよ。だから、ある意味究極のハッピーエンドとも言えるラストなんですよね──。

 ところで、好きな映画を見直すと、必ず新たな発見があるわけですけれど──今回もありました。

「リチャードを失ってしまったエリーズが、何をして生きていたのか」

 おそらく、「シカゴで上演される舞台を、全部見て過ごしていた」のではないかと。
 見ていて気づいたのですよ、リチャードは彼女に「未来から来た」とは言ってない。言うヒマもなく戻ってしまった。だから、彼の手がかりは名前と「シカゴの舞台脚本家」という情報だけ。
 そしてもう一つは、ラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』。リチャードが口ずさんだこの曲は、1912年当時はまだなかった。1934年にこの曲を知ったエリーズが、「リチャードは未来から来たのではないか」と思った可能性が高い。彼が唯一残した時計は「贈り物だ」と言っていた。それを贈ったのは、もしかしたら私? シカゴでお芝居を片っ端から見ていれば、ある日どこかで会えるかも……。
 そうじゃなきゃ、なんで大学の習作であるリチャードの芝居をエリーズが見られたのか、という説明がつかないよね?
 リチャードのストーカー的な情熱もさることながら、エリーズの執念もかなりのものです(´ω`;)。似た者同士 ゲフンゲフン、いや、もちろん私の仮説ですけれども。

 クリストファー・リーヴは、『スーパーマン』のイメージが強いですけど、この作品ではコンテンポラリーロマンスのヒーローそのものです。たくましく一途で情熱的、でも知性派。もう亡くなってしまったんだよね……。
 ジェーン・シーモアはとにかく美しい。ヒストリカルロマンスのヒロインそのもの。衣装もすてきです。
 公開当時はまったくヒットしなかったそうだけど、ケーブルテレビなどでくり返し流され、口コミで人気になったという旧ルパン三世みたいなエピソードが泣けます。今でもロケ地のグランドホテルでファンミーティングや上映会が行われています。
 そして何より大好きなのが、ジョン・バリーの音楽! そうだ、思い出した。おそらくこの映画に最初に興味を持ったのは、ラジオから流れてきたこの映画のテーマ曲ですよ。高校生の時です。それから何十年と聞き続けている。サントラ盤だけでなく、オリジナルスコアを忠実に再現したアルバムも持ってます。
 どれくらい好きかというと、自分の葬式でサントラを流してほしいと思うくらい。そして、できれば『奇蹟の輝き』のような死後の世界に旅立ちたいものです。
(★★★★★)
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genre : 映画

tag : ★★★★★ ロマンス映画

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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