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2015 · 11 · 17 (Tue) 08:56

◆『レオナの選択』シェリー・シェパード・グレイ

◆『レオナの選択』シェリー・シェパード・グレイ(ハーレクイン)
 レオナは親友二人とフロリダのパインクラフトへやってきた。婚約者との関係に悩んでいるレオナは、ここで思いきり楽しむつもりだ。そうすればきっと、結婚への踏ん切りがつくはず……。しかし、パインクラフトで出会った優しいザックに惹かれ、レオナの心は揺れる。("The Promise Of Palm Grove" by Shelley Shepard Gray, 2015)
・〈花園物語〉第1作

 1,000作目に選んだのがハーレクイン・ロマンス第一作『哀愁のプロヴァンス』で、1,001作目に選んだのは最新のハーレクイン作品。本国で出たのも今年か。
 しかも毛色が全然違う。なんとこっちの方が古風ですよ。何しろヒーローヒロインともにアーミッシュの人ですから。
 とはいえ、私のアーミッシュの知識は『刑事ジョン・ブック/目撃者』止まりです。しかし、それでもこの作品に出てくる人たちは、電話を使ったり本を読んだりしていて、私でも「あれ?」と思ったんだけど、これは(本文中には書いてある)「ニュー・オーダー・アーミッシュ」という分派らしく、伝統的慣習の堅持を続ける「オールド・オーダー・アーミッシュ」とは違うらしいですね。
 さすがにテレビを見たりネットをやったりはしないけど、車も持っていないし(乗せてもらうのはいい)、携帯電話もほぼ使わないようです。いろいろ調べたら勉強になったわー。
 アーミッシュどうこうというより、日本だと1960年代くらい、アメリカだと1950年代くらいを舞台にしたロマンスという感じです。敬虔で家族を大切にし、自分よりも人のためになるように教えられた人々の物語。電話は自宅に一台しかなく、話していると家族に内容筒抜け、とかなんか私にはなつかしい(´ω`)。
 とはいえ、実は一番ショックだったのは、そのように教育され、コミュニティとしてのつながりが濃すぎるところで育ったにもかかわらず(それゆえなのか?)、モラハラ男がしっかり存在するというところでした(;゚д゚)。ヒロイン・レオナの婚約者がそういう男で、それで彼女は結婚に迷いがある。まともで優しいヒーローのザックに惹かれるのも無理ない。
 もう一つ、気になったというか、ハーレにしては珍しいのが、このザックの立場。「主夫」なのですよ。独身で両親の家に住んでるから「家事手伝い」になっちゃうのかな?
 この作品、ハーレのサイトでは「ベティ・ニールズが好きなら次はこれ!」と宣伝されてますけど、こういうヒロインはベティ作品によくいたよね。亡くなった母の代わりに家事をいっさい引き受けて、なかなか出会いがない、みたいなお嬢さん。それが男性の立場になっている。
 私は普通のハーレにもこういう人が出てきても別にいいと思うけどね(たまにフラフラしているヒーローもいるけど)。大富豪だからって全部幸せになれるわけじゃなし。ヒロインていうか、どっちかにしか金稼ぐ力がなくたって、本人同士がうまくいってればそれが一番です。
 ちょっと話がそれた。
 主人公二人のロマンスは、途中ヒロインが婚約者に別れを告げたりして多少の波乱があるのですが、そんなに激しくはありません。確かにベティさんの作品のように「穏やか」な感じ。いつもうざいほど出てくる性的緊張感もなし。その点はよかった。
 ただ、少し説教くさい感じがあったかなあ……。これは、宗教観が色濃いからなのか、それともお話の進め方のせいなのかがよくわからない。登場人物のセリフが、棒読みっぽく──プロットどおりにセリフを言わされているように思えるんだよね。その人が自然に言ってる感が少ないというか……うまく伝えられないのですが。
 ぶっちゃけ、キャラにもう少し魅力があればな(´∀`;)、というところではあります。たくさん出てくるっていうのもね……書き分けが……どうなんすか?(´ω`;) コミュニティの濃さを表現したいのだろうけど……私のような愛想のない、一人になりたがり人間はつらそうなところだ(´・ω・`)……。
(★★★)

最終更新日 : 2018-07-31

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