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◆『恋に落ちたシチリア』シャロン・ケンドリック

◆『恋に落ちたシチリア』シャロン・ケンドリック(ハーレクイン)
 十ヶ月の長男を抱えたエマは、家賃の値上げに対して弱気になり、ついに別居中の夫ヴィンチェンツォに連絡を取った。妻が金に困っていることを見抜いた彼は、エマを冷たく見据え、「一晩一緒に過ごしたら、都合してやってもいい」と言い放つ。("Sicillian Husband, Unexpected Baby" by Sharon Kendrick, 2008)



『黒いドレスは幸運の印』でも言いましたけど、私は基本的にヒロインがアホな話はあまり好きじゃないのです(´・ω・`)。
 ただ『黒いドレス〜』はいわゆる「愛すべきアホ」であったため、面白く読めたのですが、この作品のヒロイン・エマはアホというより単なる頭の悪い人で、肉欲にも流されまくりでものすごくダメ感が漂っている人でした。
 それにヒーローのヴィンチェンツォも、ハーレによくいる鬼畜傲慢というより、単純に性格が悪い。ダイアナ・パーマーのヒーローのように、他の人には親切ないい人なのに、ヒロインに対してだけ意地悪になる、というような人ではなく、誰に対してもこんな調子で、お金持ち特有の自分が一番かわいいお山の大将的ないやな奴に見えてしょうがなかった。
 結婚前からいろいろあったんだけど、決定的なきっかけはエマが病院で「不妊症」と診断されたこと。そのため、夫婦関係はギクシャクしてエマは家から追い出されてしまうんだけど、その後妊娠がわかる。
 とここまで書いて「ん?(´ω`;)」と思った。ヴィンチェンツォに問題があるなら妊娠のことが言いにくいというのはわかる。でも、「不妊症」と言われた方が妊娠したのなら、その段階で堂々と言ってもよかったんじゃない? もしかしたら妊娠中に何か問題が起こるかもしれないし、離婚もしてないんだから、彼女とそのお腹の子供は最高の医療を受ける権利があったはず。
 子供のために、と物語の冒頭で行動を起こすエマですが、遅すぎる。しかし起こすべき時には、ひどいことを言われて捨てられた自分の悲しみやみじめさばかり考えて、お腹の子供のことより自分のプライドを取ったってことでしょ?
 何か他に理由があって、私が読み逃していたのなら申し訳ないですけど、子供の現在の状況を第一に考えないというのが一番ダメなところだと思いました。「子供が取られるかもしれない!」と思う気持ちはわかるけど、それはその時に考えればいいじゃん。覚悟していろいろ用意しとけばいいじゃん。「不妊症」が誤診だとしても、母体に何か問題がある可能性もあったんだから、そっちを優先すべきだったんじゃない?
 ──ってエマに言ったら、「結果的に何もなかったんだから、いいじゃん(゚Д゚)!」とか言いそう。頭超悪いからな……。それってDQNがよく言うよね(-ω-;)。そして、ヴィンチェンツォもそういうこと言いそう。性格悪いから。
 やはりこれもまた「破れ鍋に綴じ蓋もの」というべき作品だな……。
 しかしなぜかめっちゃ先が気になって、一気読みしちゃったんだよね。そこだけオマケ──したとしても、ヒーローヒロインともに「いやな奴」としか思えなかったからなあ(´д`;)。
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genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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