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◆『ニューヨークへ愛をこめて』スーザン・フォックス

◆『ニューヨークへ愛をこめて』スーザン・フォックス(ハーレクイン)
 リリアンは、ニューヨークからテキサスへやってきた。妹のレイチェルが牧場を経営する兄弟の弟の方と婚約したのだが、反対している祖母から妹を連れて帰るように命じられたのだ。祖母の命令は絶対で、リリアンには逆らえない。迎えに来たのは、兄のライ。彼はなぜかリリアンを敵視しているようだった。("A Wedding In The Family" by Susan Fox, 1998)



 ヒーローのライ、ヒロインのリリアンともに親に恵まれていない。ライは子供を愛さなかった母と彼女に言いなりの父に育てられ、リリアンは出生の事情から両親の死後、ニューヨーク上流階級の実力者である祖母から理不尽な制限を受け続け、妹レイチェルと差別されて育つ。
 ライは、母親のような上流階級の女性に敵意を抱いている。見た目はそういうセレブそのもののリリアンにきついことや意地悪を言ったりするんだけど、彼女は実はコントロールフリークの祖母に虐待されて、満足な教育も働く意志も持たされないように生きてきた女性。
 この、孫を自分のコマとしか見ていないクソババアに超ムカついた(# ゚Д゚)。そして、甘やかされたレイチェルは、このババアにそっくり。そして、ライの母親にもそっくり! どいつもこいつも最低です。
 途中でレイチェルを脅すためだけに、ババアがリリアンを勘当して、お金の援助を打ち切る(つまり「お前も婚約解消しないと、姉のように無一文になるよ」と言いたい)んだけど、そこでやっと祖母との縁が切れたことを実感して、リリアンは解放感を覚える。酒場のウェイトレスくらいしかできることはないし、いろいろ不安だけど、自分でお金を稼ぐことで得られる自由を知るわけです。祖母の支配下にいる時はオドオドしていたのに、勘当されたとたん、すぐに仕事を探して働き始めるこのエピソードが、とてもよかった。なくなることでしかストレスの存在を知ることができない時ってあるよね……。「ババア、思惑はずれてざまあ(゚∀゚)」とつい思っちゃいましたよ。
 彼女が勘当されたことを知って、ようやく自分が間違っていたことに気づいたライは、彼女を応援し、愛していることも自覚するようになる。
 ところがまたババアが横槍を入れるわけです。病院まで巻き込んで、仮病でリリアンをニューヨークへ呼び戻してしまう。ババアに引き止められている彼女に対して、「もうテキサスに帰ってこないんじゃないか(´・ω・`)」と思い始めるライ。
 ラストはなかなか粋で、溜飲が下がる展開です。
 だから、エピローグははっきりいって余計だと思いました。こんなババアがこんな簡単に改心するわけないだろ(`Д´)! 「家族は素晴らしい!」「年寄りは大切に」などのハーレの規定(いや、本当にあるかは知りません)にひっかかったからつけ足したようなエピローグです。私としては、もうババアには出てきてほしくなかったけどな(;`ω´)!
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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