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2015 · 12 · 21 (Mon) 08:58

●『精霊が愛したプリンセス』ジュリー・ガーウッド

●『精霊が愛したプリンセス』ジュリー・ガーウッド(ヴィレッジブックス)
 1814年。幼い頃に母と死に別れ、ネイティブアメリカンのダコタ族に育てられたクリスティーナは、母の故郷イギリスへ帰ってきた。亡き母の日記と、ある秘密を抱えて。ライアンウッド侯爵ライアンは、“プリンセス”と呼ばれる可憐な彼女にひと目で惹かれるが、クリスティーナは彼が思っているような女性ではなかった。彼女は一族、そして精霊から、“ホワイトライオン”と呼ばれているのだ。("The Lion's Lady" by Julie Garwood, 1988)

『太陽に魅せられた花嫁』を読んで、ジュリー・ガーウッドの他のが読みたくなり──とはいえ、持っていて読んでいないものはこれとあと一冊(ロマサス)。ううう、大人買い&プチ祭り開催かしらね(´Д`;)。忙しさに紛れてしまいそうですけど……。
 面白かったです! 評判通りでした。ヒロインのクリスティーナは天然というか、かなり独特な感性の持ち主──というのはもちろん、ネイティブアメリカンに育てられたから。身体能力も戦闘力も優れ、便利な生活に慣れた側から見れば、どの国の人でも彼女を「個性的」と見なすでありましょう。
 翻訳あとがきに書いてあったたけど、

「丸い穴にどうしても合わない四角い栓のような人間を古い時代に放りこんだらどうなるのかしら? そこからわたしの小説のキャラクターが生まれるの」

 と作者ガーウッドが語っているように、『太陽に魅せられた花嫁』同様、いろいろな意味で逸脱したヒーローヒロイン像がとても魅力的です。
 二人の噛み合わない会話がおかしかった。英語をしゃべれるようになって日が浅く、例え話にライオンやバッファローが出てくるようなクリスティーナの話に、ヒーローのライアンは、

「何言ってんの?( ゚д゚)ポカーン」

 となることしばしば。読み終わってみれば、そこが一番の読みどころだなあ、と思いました。彼がだんだん感化されていくというか、言うこときかなくてイライラしたり怒ったりしながら「そうじゃなきゃクリスティーナじゃないし(´・ω・`)」となっていくところが面白い。天然はやっぱり強い。
 あと、これにも腹立つババアが出てきて、読んでてムカムカしたなあ(`ω´)。最近、こういうババアが出てくるロマンス、よく読むわー。
 唯一の親族なので、クリスティーナが「お年寄りは大切にしなきゃ」みたいに思っているところがまたムカつくというかね──「こういう感覚に、アメリカ人(作者が)は支配されてるんかっ(゚Д゚)」と思ってしまったりした。年寄りだろうとなんだろうと、クズはクズ。更生の余地がない分、たち悪いと思いますけどっ?
 と思ったら、それに対してちゃんとフォローが入るというか、さすがに寛容なクリスティーナでも許せないことが起こる。溜飲は下がりますが、わがままを言わせてもらえば、もう少し行く末が知りたいところ(´ω`;)。
 しかし彼女より極悪だったのが、クリスティーナの母を死に追いやり、名誉を傷つけた父親です。本人が出てくるのはラスト数ページながら、母親の日記に出てきただけでも強烈な印象を与え、ある意味おいしいところをさらう。クリスティーナとライアンが二人で彼を追い詰めていくところはハラハラするし、落としどころもいい。本人からすれば、その場で殺されるより地獄であろう。
 これもまた、読み終わった時に、「幸せになったクリスティーナ(とライアン)が故郷に戻れるといいな(´ω`*)」と思いました。そういう余韻がうまいな>ガーウッド
(★★★★)

最終更新日 : 2015-12-21

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