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▼『愛の炎が消せなくて』カレン・ローズ

▼『愛の炎が消せなくて』カレン・ローズ(二見文庫)
 湿地帯に建設中のコンドミニアムが放火され、身元不明の少女が焼死し、警備員が射殺された。現場に駆けつけたミネアポリス警察殺人課刑事オリヴィアは、コンドミニアム内で重要な証拠を発見した消防士が、二年半前一夜をともにしたデイヴィッドだと知る。一方、犯人たちは謎の人物から脅迫され、次の放火を指示どおりに行うはめに陥る。("Silent Scream" by Karen Rose, 2010)



 長いですけど、読み始めると止まらない。
 ロマンティックサスペンスとか、ロマンス寄りのミステリーの最大の欠点は、

「謎がつまらない」

 という身も蓋もない理由なんですが、カレン・ローズはここら辺別格な感じがあります。読んでるうちに「ロマンス? それはまあいいや、それよりこの事件どうなってくの(゚Д゚)!?」となっていく。J・R・ウォード並みに物語の引きの強さがある。
 かといってロマンスが適当かというとそういうことではなく、要するにバランスがいいんだよね。今回は、すごいイケメンなのにそれを恥じるようにボランティアとかに打ち込み、地味で一見ヘタレなヒーロー・デイヴィッドの過去と、最終的な犯人たちの過去がシンクロしている。
 彼も犯人たちも、若い頃に身近な人を自分の過ちから亡くしていて、人生が一変してしまった誰にも言えない秘密を抱えている。ただ、その後の人生をどう生きるかで、過去を受け入れ心を修復して幸せをつかむこともできるし、過去から逃れようとして壊れたままの怪物にもなってしまう──というのが一つの大きなテーマになっています。
 そこら辺のツボは押さえてあるので、ロマンスの引きもちゃんとあるんだよね。私のような「話が面白ければ、ロマンスはスパイス程度でもいい」と思っている読者と「ちゃんとロマンスも堪能したい!」と言う読者両方に配慮していると思いました。今回は、ヒーローよりもヒロインのオリヴィアの方が男前でした。
 とはいえ、私としてはやはりお話を評価したい。放火犯たちはアホな大学生たちなんだけど、環境テロリスト気取りの勝手な大義名分で放火したら、それをビデオにバッチリ撮られてさあ大変! という溜飲の下がる展開。ビデオ撮った謎の脅迫者から「次はここ放火してね」と言われて放火したら、別の射殺死体があって、どんどん追いつめられていく。
 面白かったとしても、ひっかかるところがなかったわけじゃない。一番気になったのは、重要なキャラが──いい人も悪い人も──割と簡単に死んじゃうことかな(´・ω・`)。ニュース見ていつも思う「アメリカって、すぐに犯人を射殺しちゃうな」というのをここでも感じた。死んだ人の中に、「もっとも悪かったであろう人」というのも含まれていて、そこもモヤモヤした。この人生かしといて、生き地獄味わわせた方が、もうちょっとすっきりしたように思う。
 それでも読んでいる間は、充分没頭できました。エンタメ小説の醍醐味を久々に味わった気分です(´Д`*)。『誰かに見られてる』同様、横溝正史を思い出す読後感だったので、私の中でカレン・ローズは「アメリカの横溝正史」に決定。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : サスペンス/ミステリ 二見文庫 ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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