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●『狼と鳩』キャスリーン・E・ウッディウィス

●『狼と鳩』キャスリーン・E・ウッディウィス(サンリオ)
 1066年、イギリス。ダーケンウォルド領主の娘エイスリンは、ノルマン軍によって父を殺される。ノルマンの騎士であるウルフガーが新たな領主となり、エイスリンは母とともに奴隷の身に落ち、ウルフガーに仕えることになる。身の回りの世話をしているうちに、次第にウルフガーへ惹かれていくエイスリンだが、私生児として生まれ、女を憎んでいる彼は誰にも心を開かない。("The Wolf And The Dove" by Kathleen E. Woodiwiss, 1974)



 サンリオでの表記は「キャサリーン・ウッディウィス」ですが、現在手に入る版の表記に合わせました。
 うーむ……はっきり言ってかなり読むのが大変でした。大変というより苦痛。読み始めて後悔してしまうほど。
 その原因は明白です。初っ端でヒロインのエイスリンがレイプされるから!
 それだけじゃなくて、召使の女の子やら村の娘やらも襲われたり、そしてヒロインの父を含めた罪のない人々も命を奪われるシーンが冒頭に子細に描写される。
 わかってますよ、それは戦争だから仕方ないって。でも、今の私はそんな殺伐とした物語は望んでいないのですよ……。暴力に虐げられた人の話は、どういう状況であれ、最近心に来るんです。フィクションでもノンフィクションでもダメージでかいのです……。とはいえ読み始めたからには読み終わりたい……それもまた私の欲望であり……。
 もう、そこから(私が)立ち直るまでが長くて(´・ω・`)。エイスリンの方がずっと強かった。傷つき悩みながらも、医療師として人の役に立とうとするし、ヒーロー・ウルフガーとも奴隷とは思えないような態度で接する。
 ただ、私は強いヒロインは好きだけど、キャラクターとしてのエイスリンは少しブレがあったように思う。強気なところと怯えているところがあるのはもちろんいいんだけど、情緒不安定気味で読んでてつらくなってくる。
 それはもちろん、彼女の置かれている境遇がものすごくストレスフル、というのがある。城に乗り込んできた騎士ラグナーに犯され、そのすぐあとにやってきたウルフガーには奴隷兼愛人として扱われる。父は殺され、母も気が変になり、元婚約者など身近な人もすべて奴隷になってしまって、頼りになる人はいない。それどころか、その人たちのために自分がウルフガーと交渉をしたりしなければならない。さらにあとからやってきたウルフガーの妹が本当にいやな女で、ネチネチいじめてくるし、ウルフガーを目の敵にしているラグナーはエイスリンを自分のものにしたくてたまらない。そしてもちろん、ウルフガーを愛してしまってそれにも悩む。
 読み終わって改めて「一番つらかったなー」と思ったのは、エイスリンを支える人が一人もいない、というところです。心が休まらない彼女が情緒不安定なのは仕方ないんだけど、読んでる私も心休まらないんだよ(´・ω・`)。
 さらに実際のところはウルフガーしか頼れる人がいないというのに、こいつが全然頼りにならなくてさあ(゚д゚)! 自分のクソみたいな妹もまったく制御できなくて、結果的に悲劇を引き起こす。ヒロインがひどい目に合うのはお約束だとは思うけど、巻き込まれた他の人が気の毒。自分のことばかりに気を取られて、基本的な見通しが甘いという印象が残った。
 そんな頼りにならないヒーローといじめられまくるヒロインのただひたすらつらいお話では、萌えはまったく供給できなかったのです……orz しかも、エイスリンを「かわいそう」と思いながらもあまり感情移入できないのもつらかった。泣いたりとかしなかったもんなー。
 しかし、それはそれでいいんですよ。もう、ほんといいの、それは。そういうお話もありますよ。それよりも衝撃だったのは、最後の最後に落とされた(私にとっての)爆弾。エイスリン母からの「実はレイプされていなかった」(一応反転)という種明かしに、私は愕然となりました。

「工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工」

 リアルでこんな感じになり……ある意味、超どんでん返し。「私は受けなくてもいいダメージを受けたのか( ゚д゚)ポカーン」とも。二段組700ページもの長い間つらい思いをしたのはなんだったのか。
 それが感想のすべて、と言ってもいいくらいのショックでした。読み直したら、「あ、まあ、そうとも読める……?」という感じになっていた。そして、「もっと早く教えてよ(゚Д゚)ゴルァ!!」と怒るエイスリンに同調。
 やっぱり彼女の味方はいなかった、という物語だったのかもしれません(-ω-;)。
 高評価の名作なことはわかっておりますが、私には合わなかったわ……。
(★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル サンリオ ★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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