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2016 · 02 · 20 (Sat) 09:20

◆『純白のイヴ』ジャン・ハドソン

◆『純白のイヴ』ジャン・ハドソン(ハーレクイン)
 イヴは小さい頃から美人の姉アイリッシュと比べられ続けて、少し自信のない女性になってしまった。姉の結婚式で花嫁介添人なんて、恥ずかしくてたまらない。そんな彼女にひと目ぼれしたのは、花婿の従兄弟マットだ。しかし、イヴをいくら口説いても、まったく本気にしてくれない。そこでマットは彼女がダラスへ引っ越してくるよう、一計を案じる。("Plain Jane's Texan" by Jan Hudson, 1999)

『シンデレラより幸せ』の関連作です。妹のイヴがヒロイン。
 前作と同様、ヒーローがヒロインを手に入れようといろいろ画策するお話です。ただ、『シンデレラ~』はヒーローがそうする理由がちゃんとあったのに、この作品はそれがなく、単に「振り向いてくれないから、だましちゃえ(゚д゚)」という非常に短絡的で自分勝手な展開。
 ヒーローのマットからすれば、遠距離恋愛からとかそんなの我慢できない、いつでも会いたいのに! という感じ。でも、自分も彼女も仕事があるし、地元を離れられない。それは普通のことなのに、「面倒みてあげるから、こっちおいでよ」とか金持ちの横暴全開の発言はいかにもハーレっぽい。
 誠実で我慢強く、もっと頭のいい人なら、自信のない彼女にまずは自分を信頼してもらうところから入るはず。なのに「容姿に自信がないって言うから、そこをガンガンほめよう」とか本当にアホっぽい(´д`;)。アメリカ人って、『北風と太陽』の北風タイプが多いんですかね?
 そういう北風攻撃に対して「どうせ本気じゃないよね(´・ω・`)」としか思わないイヴ(ちょっとめんどくさい子)が電話にも出なくなって、超あせるマット。自分の航空会社の宣伝契約をエサに、地元の広告代理店にイヴをクリエイティブ・ディレクターとして引き抜く算段をつける。「どうして本気と取ってもらえないのか」というのを先に考えなさいよ(´ω`;)。
 お話としての楽しみは、「マットの策略がいつバレるか」「バレたあとどういう態度を取ってイヴに許してもらうか」というこの二つ。この期待感はなかなか大きく、ワクワクして読み進めました。しかし──けっこうあとの方にならないとバレなくて、「えー、これじゃ枚数的に巻き返しが物足りなそう」と思ったら、やはりそうだった。イヴは怒るけど、割と簡単に姉に説得されて許してしまう。なんかマットもいろいろしていたけど、やっぱり頭悪い。
 でも、それが評価を下げた理由ではないのです。
 実は、彼女に策略がバレたのは、広告代理店でクリエイティブ・ディレクターのポストを狙っていたのに横から来たイヴにかっさらわれたブライアンという男性のチクリのせい。そりゃ面白くないよね。確かに彼女は優秀だったから結果的にはよかったこと。彼が大した働きをしていないような人なら、特に気にはならなかったと思うんだけど、彼もとても優秀な人だというのは、イヴも認めている。だから上司の、

「言い忘れるところだったが、ブライアン・ベローは解雇したよ」

 このセリフには、とても不快な気分になった。私がイヴだったら、彼の解雇をマットがどうにかしてくれない限り、もっと会いたくない気分になるだろう。しかし、それ以降に彼に対するフォローどころか話題にも出ず、二人は和解して結婚してハッピーエンド。
 ブライアンは何も悪いことしていないのに、クビにするなんてひどくない(゚Д゚)!? まあ、イヴにいやがらせみたいなことはしてたけど、会社ぐるみの不誠実っていうのがまずあったわけで、それはどうなのさ。それとこれとは別なの? こういうところに恩情ってのはかけられないわけ? 国民性の違いですか!?
 結果的にイヴもマットと同様、不公平な人という印象ががっつりついてしまった。金持ちのいやらしさみたいなのを強調したような終わり方に、あーやだやだ(´Д`;)と思いました。
(★★☆)

最終更新日 : 2016-02-20

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