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□『アーロと少年』

『アーロと少年』"The Good Dinosaur" 2015(3/12公開)
 6500万年前、地球に巨大な隕石が接近。しかし、地球にぶつかることはなく、恐竜たちは絶滅をまぬがれた。そして数百万年後、恐竜たちは文明を持ち、言葉を話すようになっていた。農場を営むアパトサウルス一家の末っ子アーロは、罠にかかった原始人の少年を助けてやる。(監督:ピーター・ソーン 声の出演:レイモンド・オチョア、サム・エリオット、アンナ・パキン、ジェフリー・ライト、フランシス・マクドーマンド、他)
・同時上映『ボクのスーパーチーム』



 自然の描写が素晴らしい。恐竜が絶滅しなかった世界──手つかずの大自然がまるで実写のようで、「もうどんな話でもできるな」と思いました。
 そんな背景を持ちながら、描くのが擬人化した恐竜というところが面白いと思った。ピクサーにしては恐竜のメンタリティがほぼ人間というのも珍しい。そして、人間であるスポットはほぼ犬(時々猫、あるいは猿)として描かれる。
 安易な擬人化はしないピクサーですけど、この点から最初の方は少し違和感があった。しかし、よく考えれば恐竜のメンタリティなんか誰も知らないのよね。デフォルメされた恐竜がしゃべる、というところで、ちょっとありがちなお話かと思ってしまった。
 いや、ありがちといえばありがちなのです。父を亡くしたあと、川に落ちて一人ぼっちになってしまったアーロが、少年スポットと一緒に家へ帰るという物語で、そこには様々な困難や新しい出会いがある──という非常にオーソドックスなもの。臆病なアーロが恐怖やトラウマに向き合っていく様を描く王道ビルドゥングスロマン。
 ただ、この作品の魅力は、背景の自然描写も含めて、極めて細やかなところにあると思った。スポットは言葉を持たないので、セリフでの説明もほとんどない。観客の子供からすると、心の声はアーロが代弁し、でも実際の行動はスポットであったり、というキャラとの同化がより容易なんじゃないか、と思った。臆病な気持ちと勇敢な行動、どちらも「自分の選択」と思えるというか──それは選ぶものではなく共存するものであり、両方自分だと自然にわかるようになっていくんじゃないかと。
 ラスト、アーロとスポットの別れのシーンで、おそらく子供だと思うのだが、めっちゃ泣いてる子がいたのよね(吹替版見てた)。声は我慢してたけど、もう号泣なわけです。このシーンには、まったくセリフがない。セリフがなくても、これだけ泣かせる繊細な描写があったということなんだよね。
 同時上映の『ボクのスーパーチーム』も含めて、「父親との思い出」が大きな核になっている物語でありました。『ボクのスーパーチーム』は本当にささやかで、でもとても繊細なお話なんだけど、監督が自分の「父親との思い出」をこの短編にしようとしたきっかけはなんなんだろうな、と考えました。
 大冒険や、強いショックをともなう思い出は、自分の礎を作ってくれるし、とても大きなものなんだけど、しょっちゅう思い返してもいつまでも色あせない甘美な思い出というのは、こういうささやかなものなんだろうな、と思ったりしたよ。
(★★★★)
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    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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